ゲスト:
藤木 隆司さん(iSiD イノラボ)
小川 滋さん
鈴木 綜真さん(株式会社Placy代表)
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株式会社Placy
https://www.placy.city/en/about/
イノラボ 電通国際情報サービス
https://innolab.jp/
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東京は比較的新しく、優れた建築ストックの恩恵を受けている。それらは現代の生活水準にふさわしいと考えられる。集合住宅は便利であるし、オフィス・タワーは効率的で、さらに商業施設も活気にあふれている。交通ネットワークは洗練され、公園や緑地も十分にあり、あらゆるものが清潔でよく管理されている。東京の生活はスムースで、たいていは安心感に包まれている。
しかし、東京はこの堅固な基礎の上に文化的なスパークを起こさなければならない。人々はいつの時代にもまして、情緒的に豊かな時間を渇望しており、いつまでも思い出に残るインスピレーションに満ちた経験を求めている。これは新しいラグジュリーなのである。
東京は「畏(おそ)れ」さえ感じるようなアイコニックな建物を必要としている。また、食、アート、デザイン、そして音楽など、この土地に深く根差した文化を内外に示さなくてはならない。たとえば、それは日本の優れた産業デザインを展示するデザイン・ミュージアムのような形をとるかもしれない。あるいは着物から現在の優れた日本の服飾文化を示すファッション・ミュージアム、あるいは日本映画ミュージアム、あるいは日本車ミュージアムでもいい。キーワードは「楽しみ」(Pleasure)であるべきだ。それさえあれば、イノベーションや投資は自ずからついてくるのだから。
アストリッド・クライン
建築家 クライン・ダイサム・アーキテクチャ共同創設者
http://www.mori-m-foundation.or.jp/ius/gpci/2015.shtml