RWR#112【LIVE】映画閑談〜メッセージ編 with松岡寛

実はですね「メッセージ」 私が『神』と崇める、押井守が一押しする映画で、劇場に見に行ったけれども、理解しがたい部分が有って、BDディスクが出たら速攻買い込んで、繰り返し視聴した作品なのです。 押井守監督はこう嘯きます。『物語は設定が全て』矛盾が生じる話を描く奴、矛盾を無視して話を進行する奴は最低と言うのです。 この言葉を真に受けて「設定命」のマーセナリー=rockが産まれます。話に矛盾がないか常に記憶を総動員する私が産まれるのです。 だから、押井が勧める「メッセージ」に矛盾が生じる訳はないのです。 わたしの結論は「武器=未来を見渡す能力」は宇宙人が与えたもの。 そして「未来を知ること」は出来ても、努力しても未来を変更することが出来ないことも経験として思い知る。 そして「娘が死ぬ」ことも受け入れることで、理解し合うことが出来ずに離婚する。 そういった伏線が最初の４分に含まれているんだ、というか監督からの言い訳があの４分に含まれていると結論してしまいました。 以下長文を奏上させていただきました。 途中「投稿」ボタンに触れてしまって３分割されてしまい、下から上に辿ってください。

下の続き 主人公は未来だけではなく、他人の過去にも時間を超え行けることになってしまう。これは「時空のパラドックス」で電話をかける未来を知ることが出来ても、自分の未来に行っても上将の過去を知る自分がそこに存在する訳がないのです。 これは上将の過去に触らなければ「知るはずがない」事象なのです。 ご理解いただけますか？時間時空を超えても自分の経験の連鎖を行来出来ても、「自分が経験していない事象」を自分の経験として知ることが出来ないのです。 だから、主人公は電話で上将に「世界の滅亡を避ける為に受賞式に来て、電話番号といまわの言葉を教えに来てください」と頼むのです。そしてその未来の経験から内容を知って上将に「いまわの言葉」を伝えるというギミックを使っているのです。 主人公は未来の記憶を作ることで、その未来の記憶を利用するという方法を活用するという方法を使っていると説明します。 こう説明すると「未来を知る能力=武器」は主人公しか所持しない。 未来を知る能力は宇宙人が主人公に与えたものだと思いたいのです。

続き 主人公は娘に彼女から父親を奪う離婚の理由を話します。 「パパが受け入れられないことを言ってしまって怒らせてしまったから」と。 これって「未来を見渡せない旦那に、娘は将来先に亡くなる。これは避けられない事象なの」と言ったのだと考えたのです。 普通の人間ならば、普通の親ならば、「娘が死ぬ」ことを受け入れられないし、なんとかその未来を忌避しようとするはずなのです。旦那は普通の人間だから、運命を動かせないモノとして受け入れる主人公を「許すことが出来ない」 よって、旦那の方は未来を見渡す能力が無くて、運命を受け入れる能力を信じられないし、許せないのだと考えたのです。 「上将が電話番号を伝えに来るのはどう説明するの？」と突っ込まれるのですが、最初の電話の時に説明しているのだと思うのです。 だって、上将の奥さんが亡くなったのはでんわの前で

「人間は未来を見渡すことが出来れば必ず未来を変えようとする」ということには根拠があるのです。 公平先生も「娘さんが死ぬ」と判ったら絶対にその運命に抗おうとしますでしょう。 人間は運命を受け入れることが出来ても、「親という動物」は子供の不幸を受け入れることが出来ないと思うのです。 最初の４分に私が拘るのは「主人公が子供の死を知っているのに運命通りの相手と結婚する」その運命を受け入れる覚悟があることに『武器』を感じるのです。 「主人公以外時空を超える能力を有しない」というのにも根拠があるのです。