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🌟お題「機内を舞台にした物語」で書いた
ひこうき雲〜ゆいの帰国〜
https://monogatary.com/story/351760
(2022年2月23日投稿)
第5章 マダムKの話 その3
ある日、大阪から東京へ向かう飛行機に偶然乗り合わせた人たちのお話です。
登場人物
航空会社の客室乗務員(海外勤務) ゆい
ゆいの仕事関係知人の外国人女性ふたり
ゆいの大学生時代からの友人 ホソカワとその仲間たち
ゆいと初対面のカズキ(ホソカワの仕事仲間)
座席(進行方向↑)
AC DEFG HK
最後例HK席にご婦人たち
ご婦人の前にケーサツ官たち
最後列G席にカズキ カズキの前にホソカワ
飛行機最後列通路側席に座っている
婦人は話を続けていた。
「昨夜、中国のCEOから電話があったんだけど
今年の表彰式が昨日あったらしいの。
今年はゆいを表彰してあげようと皆の意見が
一致したんですって。
中国に来て5年になるし
中国支部も安定してきたし
彼女はいつも人のことばかり考えているから
そろそろ、彼女を日本にいる
恋人の元に帰してあげましょう、と
誰からともなく言ったみたい。それで、
彼女の恋人を内緒で呼んだんですって。」
そう言うと、通路側席の女性のトーンが
急に暗くなった。
「恋人は来なかったの?」
窓側席の女性は聞いた。
「彼は昨日
現れたのは現れたんだけど…」
「だけど?何かあったの?」
「新しい恋人も連れて来たのよ。
もうすぐ赤ちゃんが生まれるんですって。」
「まぁ、なんてこと…」
窓側席の女性は絶句した。
「マジかよ…」
話は、カズキたちやケーサツ官たちにも
聞こえていた。
「だって、ゆいは、奨学金の返済があるから
海外赴任して、早く返済を終わらせるために
働いていたんじゃないの?
だから、外国人CAに洋服のおさがりをもらって
着ていたんじゃないの?あんまりだわ。」
窓側席の女性は声を詰まらせた。
「そうね。CEOは彼に言ったのよ。
どうして君は来たのかな?って。
そうしたら、呼ばれたから来た
と、言ったらしいの。」
ホソカワは深くため息をついた。
「ザ・ミチヒロだな。」
ホソカワの隣席の男が言った。
「でも、アイツ仕事どうするんだよ?
杏ちゃん(ゆいの従兄弟)たちと
顔合わすことあるだろ?」
「ミシマさんとこに就職できたの
誰のおかげだと思ってるんだよ。まったく。」
「やっぱ、アイツ、モブじゃねーかよ。」
カズキの前席の4人は口々に
ボソボソ言っていた。
「ゆいは、それでどうなったの?
さっき会った時は、そんな辛いことが
あったなんて感じさせなかったわよ。」
窓側席の女性が言った。
「CEOが言うには、ゆいはそのことを
知っていたのではないかと。
そういう状況なら取り乱しても当たり前なのに
さすが日本人、冷静だった
と言っていたわ。」
「そんなことで、さすがと言われても
嬉しくないわ。悲しいわ。」
「そうね。
彼女たちは外国で危ない目にあうこともあるわ
だから、彼女たちは非番で乗っている時は
降りる時に、お互いの無事を祈って
ハグをしているの。
だから、今日私は最後に降りて
ゆいに“大好きのハグ”をしてあげようと
思っているの。
この便に空席があってよかったわ。」
「そうね。私もそうするわ。
あなたに会えたことに感謝するわ。」
窓側席の女性が言った。
ケーサツ官たちは
自分たちのことが恥ずかしくなった。
「ところで、あのご婦人たちは何者なんだろうね?
後から来た人は、ゆいの会社の偉い人だろうか?」
ホソカワの隣席の男が言った。
「あのご婦人(回想していた通路側席の女性)は
マダムKさ。」
とホソカワが言った。
「ホソカワ知り合いなのか?」
「いや、オレが適当に名づけたのさっ。」
〜つづく〜
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