#朗読【菜種梅雨】
【菜種梅雨】
明け方から雨音が聞こえる…
週末には一緒にお花見に行こうと約束をしていたやっと彼と私のお休みの日が重なったのに…
新しく買った春物のワンピースが
ハンガーにかかっている。
横目でワンピースを見た後、クローゼットにしまった。
一緒に食べようと思っていた、おにぎりも
大谷選手のようなスピードで
壁にでもぶつけたい気分だった。
彼からの電話にも、暗い声で「もしもし〜」と苛立ちをぶつけた。
私の事をよく知っている彼が言った
「ご機嫌が悪いですね〜」
その茶化されたような声に余計私の気持ちに拍車がかかる。
「だってさ〜来週には散っちゃうよ」
彼が言った
「そーだよね〜俺も晴れてたらいいな、と思ってるよ、だけど 今日…君に会える事の方が嬉しい
桜は、おまけ」
彼の優しさが心に花を咲かせた
さっきまで曇っていた私の心が
ばぁ〜っと晴れて まるで青空のように爽やかな気持ちになった。
友人に彼のどこがそんなに好きなの⁈と、たまに聞かれる…
でも、うまく伝えられなかった
今度、聞かれたら こう答えよう
「私を何よりも1番大切に思っていてくれるところ…」。
#恋愛
#雨の音をBGMに…☔️