こちらの朗読は恣意セシル朗読パートと対になってます。
また5月21日文学フリマにて本編は販売されますのでよろしくお願い致します🙇♀️
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彼の為なら何を犠牲にしても構わない。
そう、思っている
――でも、死ぬことだけは嫌だ。
この命だけは、あげることができない。
賢治の世話が出来なくなるから。
そうすると彼が路頭に迷うから。
……なんてただの言い訳だ。
私は死ぬのが怖い。
何があるのかわからない真っ暗なところで、意識はどうなってしまうのか。
心は、記憶は?
まったく別の生き物に生まれ変わるの?
何か大きなものに飲まれ一つになってしまうの?
消滅してしまうの?
考えるだけで、途方もない不安で心がいっぱいになってしまう。
天国や地獄という概念は、昔の人の優しさだ。
私は間違いなく地獄に落ちるだろうが、私自身を保ち続けることができる。
体を失ってなお、自分の行く末を見ることが出来る。