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朗読【白よりも白く】Chapter 2

#朗読  #【白よりも白く】  #ショートSTORY🤍    白よりも白く    「おはよう、ねぇ目玉焼きとゆで卵どっちにする⁈」  「あ〜悩むな〜、でも目玉焼き」  彼と一緒に暮らし始めて五年になる  テーブルの上にトーストと目玉焼き、そしてお醤油を置いた。  彼は、目玉焼きにお醤油をかける、  そして私は塩コショウ。  彼はコーヒーを淹れている… 同じ豆を使っているのに、私より彼が淹れてくれるコーヒーの方が美味しい。  お互いの好み…お互いの得意な事… それぞれが補って暮らす。   以前、学生時代の恩師が言っていた。  「人間は皆、平等に出来ているんです、一人が感じる幸せや悲しみは、実は同じ量です、ただ自分が辛い時は人の幸せの方が多く感じてしまいがちですけどね」  私は、恩師の話しは信じていなかった  私のように幸せな時間より泣いている時間の方が多い人間だっている。  世の中は不公平で出来ている。   でも、本当にそうなのかもしれない… もし、そうだとしたら、これからは幸せを感じる時間が沢山あるんだ…   軽井沢で彼と出会ってから何度デートをしても  彼は私に触れる事もしなかった、  突然「手を繋いでもいいですか?」と聞かれて  「はい」と答えた私は、まるで中学生のような気持ちになった。     二人は、それほど若くは無い  だけど、人を愛するのに年齢は関係ない  今日は、以前から二人で行きたいと話していた  長谷寺に、紫陽花を見に来た、  彼が言った「この階段を登ったところに君に見せたい景色がある、一緒に行こう」  そう言って、私に手を差し伸べた。  階段の両側には、色とりどりの紫陽花がさいている、どれも綺麗… 突然、彼が立ち止まった  「この景色…紫陽花越しに海が見える場所を君と見たかった」  「素敵」私は風に吹かれながら、その場所を動きたくなかった、ふとそこに咲いている紫陽花に目を落とすと、珍しい白い紫陽花が咲いている  ウェディング ブーケのような白い紫陽花  私は、心の中で誓った、(どんな時も、この人を愛する事を誓います)。
2023年5月27日
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