実際は、神話が無限とも思えるほど多岐にわたっているにも関わらず、ヒーローのストーリーはいつも旅の物語である。ヒーローは住み慣れた環境を取り出して未知の世界に旅立つ。迷宮・森・洞窟・見知らぬ町や国。そこはヒーローにとって、新しい挑戦を受けたり葛藤を抱える舞台となる。しかし、同じくらい多くのストーリーが、自己の精神や心、魂といった内面的な旅へとヒーローを導く。
すべての優れたストーリーに共通して言えることは、ヒーローが、「失望から希望へ」「弱さから強さへ」「愚者から賢者へ」「愛から憎しみへ、そしてまた愛に戻る」という変化の過程があるということだ。
ヒーローは一つの段階から次へ進むための旅をすることにより、成長し変化を遂げるのである。こうした精神的な旅が観客を惹きつけ、そのストーリーを見るに値するものにしている。
『神話の法則』クリストファー・ボグラー