今回は、NHKプラスで2月24日来週の月曜日まで公開されている「映像の世紀 バタフライエフェクト」の話をしたいと思います。この2月24日まで公開されている「映像の世紀」のタイトルはロシアとウクライナ、プーチンとゼレンスキーということで、そういう話題だったのですが、いま米国のトランプ大統領がゼレンスキーなしでロシアのプーチンと話し合いをしたというニュースもある中で、とても見応えのあるものでした。ウクライナのゼレンスキーさんが大統領になったときに、「もうウクライナ国民が泣かずに済むように力を尽くします」という演説をしているわけですが、その後も難しい国家運営の舵取りをすることになってしまったというそんな状況に今あると思います。この映像の世紀は、ウクライナがロシアとどういう関係にあったのかということを、ソ連の時代のレーニン、スターリン、フルシチョフそれからゴルバチョフの時代に、それぞれウクライナとの関係がどうあったのかという経緯もコンパクトにまとめられた上で、その歴史の流れの中で今のこの状況があるんだということを考えさせられる番組でした。ウクライナの人たちは、ロシアの人たちと同じスラブ民族の国家と言われ、言語もキリル文字という共通の文字を使いながらも、ロシア語とウクライナ語という異なる言語を持つ人たち。一方で、ロシア革命以前のロシア帝国の時代もウクライナは小ロシアと呼ばれ、一つの国家としてはなかなか認められなかった地域だったという、そんな歴史的な経緯も解説されていました。番組を通して強く考えさせられたことが二つありました。
大きな事態も、少しの判断の蓄積で起こった
一つ目は、「少しの判断の蓄積」が大きな事態、この場合では例えば戦争にまで繋がってしまうことがあるんだということですね。歴史のように、事態を見るとなんでこうなっちゃったのかとか、どうにかならなかったものかなどとどうしても想いを巡らせてしまいますが、今回の番組で解説されていた「ロシアとウクライナ」の話はほんの100年間の間にあったことなんですよね。その中で、比較的両者の関係がいい時もあった一方で、それも長くは続かなかった。ボタンをかけ違うと状況は悪くなってしまい、今のようなことになってしまうこともあると。それを考えると、海に囲まれた日本人の私たちも決してこういうことに無関心でいてはいけなくて、国家の運営をしている人たちがどこを向いて何を考えてどういうことをしているのかということは、もちろん全部は分からなくても理解しようとしなくちゃいけないんだなと思わされたところです。...