サクラ出版「女神の誕生日」プロデューサーのサクラです。
春ですね。桜の花びらが、音もなく舞い降りる。
この音を、私たちは聞くことができるのでしょうか。
耳をすませても聞こえないその「音」。
でも、心で感じた瞬間に、それはたしかに響いてきます。
日本人は、昔からそんな見えないもの、語られないものの中に、美を見出してきました。
その一瞬の静けさに、私たちは美しさを感じます。
それは、空間の余白だったり、香りの余韻だったり、あるいは言葉にならない感情だったり。
たとえば、茶道。お茶碗を回す所作にも、心を整える静けさがあります。
そして、華道。生け花は、ただ花を飾るのではなく、空間や余白、季節の移ろい、そこに流れる“気配”までも大切にします。
さらに、香道(こうどう)。香りを楽しむ芸道であり、茶道・華道と並ぶ、日本三大芸道のひとつとされています。
香りは、見るものでも、ただ嗅ぐものでもなく、「聞く」ものとされているのです。
この「聞く」という表現には、奥深い背景があります。
「聞」という漢字を漢和辞典で調べてみると、「きく」「きこえる」のほかに、「匂いをかぐ」という意味が含まれており、日本では江戸時代以降、香りに関する場面で「聞く」と言い表すようになったとされます。
香りを五感で受け取るのではなく、心を澄ませて感じ取る、
それは、日本独特の感性のあらわれです。
日本の美は、直接的な「派手さ」ではなく、にじむような、ほのめかすような、そんな表現の中にこそ、そっと宿っています。
それは、どこか自分の心のあり方とも重なります。
他人の前で、すべてを語り尽くさなくてもいい。
静かに背筋を伸ばしているだけで、言葉よりも多くを伝えることができる。
日本の美しさとは、「語らない余白」の中にあるのかもしれません。
春は、始まりの季節。たくさんを語るのではなく、ほんの少しを、丁寧に語ってみる。
それもまた、美しい日本の生き方かもしれません。
あなたも、桜の「音」を聞いてみませんか?
今日もお聴きくださり、有り難うございました。
◆女神の誕生日◆
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