自己学習#239「無線工学:レーダーの方位分解能」
📡 方位分解能って何?
▶ まず、「分解能」ってなに?
「分解能」とは、2つのものが近くにあるとき、それを“別々のもの”として見分ける力のことです。
例えば、夜空にある星が2つ並んでいたとき、それが1つに見えるか2つに見えるか。
はっきり2つに見えるなら「分解能が高い」と言えます。
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▶ じゃあ、「方位分解能」とは?
「方位分解能」= 横方向(左右の方向)にある2つの物体を区別できる能力のことです。
レーダーが「東と東北東の間に2つの物体がある」とき、それをちゃんと別々に見分けられるかどうか、という話です。
見分けられる角度の最小単位が「方位分解能」です。
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🔧 方位分解能に影響するものは?
1. アンテナのビーム幅(Beamwidth)
レーダーのアンテナは、前方に電波の「ビーム」を出しています。
このビームが広いと、広い範囲を一度に見られますが、「ぼやけた視野」になってしまいます。
ビームが狭い(細い)ほど、方位分解能が高くなり、近くにある2つの物体を別々に見られるようになります。
👉 ビーム幅はこう考えよう:
ビーム幅が30度なら、30度の範囲にあるものは一つに見える。
ビーム幅が1度なら、1度でも角度が違えば見分けられる!
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🎯 例えてみよう!
方位分解能を「懐中電灯」に例えると:
広く照らす懐中電灯(ビーム幅が広い)→ 前にいる2人の人が「1つのかたまり」に見える
細く照らす懐中電灯(ビーム幅が狭い)→ 前にいる2人の人を「別々の人」として見える
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📏 方位分解能の計算(少しだけ)
ちょっと専門的な話になりますが、知りたい人のために:
> 方位分解能 ≒ レーダービームの幅(角度)
このビーム幅は、アンテナのサイズや波長によって決まります。
アンテナが大きい → ビームが細くなる → 方位分解能が高くなる
波長が短い → ビームが細くなる → 方位分解能が高くなる
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✅ まとめ
用語 意味
分解能 近くにある2つの物体を見分ける力
方位分解能 横方向(角度方向)で物体を区別できる能力
高い方位分解能 近くにある物体をハッキリ区別できる(細かく見える)
低い方位分解能 近くにある物体が1つに見える(ぼやけて見える)
改善するには? アンテナを大きくする、波長を短くするなど