#ショートSTORY
#【部屋の片隅に】
#メロディつけてもらえたら幸せです😍💖💖💖
#朗読もしてくれたら嬉しいな🥰
【部屋の片隅に】
朝になっても
まだ昨日の暑さが部屋の片隅に残っている
何とも重い空気だ
窓を開けると更に熱風が私の身体を通過して部屋の中を侵食している
狭い寝室の電気をつけたまま寝ていた事も
その暑さに追い打ちをかけて
最近癖になっているその怠惰な自分にも
うんざりする
電気を消す時間も無い程忙しくしているわけでも無いし、酔っぱらってそのままベッドにダイブしたわけでも無い
寝る前に一度消した電気を、わざわざつけただけ
寝返りを何度もうって、枕元に置いたスマホを見ていたら暗闇からの光が眩しくて…
その、どれもこれもが何となく今の自分の足を引っ張っている
まるで宇宙服でも着ているかのような気怠さで
リビングへ向かう
エアコンのスイッチは消してあったけど
何故か扇風機が回っていた
寝る前に消し忘れたんだ
この重い空気を一人で一晩中拡散してくれていたのかと思うと その健気さが
何とも言えない…
暗闇で誰にも感謝される事も無いのに
黙って首を振っていた
その、どれもこれもが何となく見たくも無い自分の姿を教えていた
便利な時代がつくった不便
子供の頃は夏の暑さは深夜には土の中に溶け込んで
新しい朝は、また新たな一日を教えてくれた
爽やかな空気が流れていた…
だから何もかも忘れられたんだ
だから何もかも忘れられたんだ…。