高齢期に入ると「夜眠れない」という悩みを抱える方が少なくありません。
睡眠は心身の健康を支える大切な要素であり、眠れない状態が続くと、本人だけでなく家族の生活にも大きな影響を及ぼします。
その背景にはさまざまな理由があります。
昼間に活動する機会が少なく、昼寝が増えることで昼夜が逆転してしまう場合。あるいは、認知症による生活リズムの乱れや、不安・焦燥感が強まることで夜間に目が覚めてしまう場合もあります。
さらに服薬の影響や体調の変化が関わっていることも珍しくありません。
介護の視点から大切なのは「眠れないことを責めない」ことです。本人も眠れない苦しさを抱えています。
落ち着いた環境を整え、昼間に軽い運動や日光浴を取り入れること、安心感を与える声かけを行うことなど、小さな工夫の積み重ねが夜の安眠につながります。
また、家族自身も無理をせず、専門職や相談機関を活用することが必要です。
夜眠れない問題は、介護者一人で抱えるべきものではありません。
尊厳を守りながら、安心して休める夜を取り戻すこと――それが「尊厳介護」の第一歩なのです。
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