介護の第一革命
はじまりの決意 ― 身体拘束ゼロ宣言
2001年、日本は介護の在り方を根本から問い直す「身体拘束ゼロ」を国の方針として掲げた。
それは単なる制度の改正ではなく、人の尊厳をどう守るかという“文化の転換点”だった。
当時、多くの介護施設では、転倒や徘徊を防ぐためにベッドの柵を高くし、手にミトンをはめ、車椅子にベルトを付けることが「安全」だと信じられていた。
しかしその「安全」は、本人の自由と誇りを奪っていた。
介護保険制度が始まった翌年、日本の介護現場はその矛盾に真正面から向き合う決意をしたのである。
「人を縛らない介護」は、単に“しない”ということではない。
それは、恐れを手放し、相手を信じるという介護者自身の心の解放でもあった。
ほどける介護とは、身体の自由だけでなく、支える人の心がほどけていく介護。
身体拘束ゼロ宣言から25年。
この「ほどく」という文化が、日本式尊厳介護の原点であり、
次なる“心を解く”第二革命へと続く礎となっている。
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