介護の現場で長く信じられてきた言葉があります。
それは「安全のために仕方がない」という言葉です。
転倒を防ぐためにベッドの柵を高くする。
徘徊を止めるためにドアを施錠する。
暴れないようにミトンで手を覆う。
どれも「守るため」の行為として行われてきました。
しかし、それは本当に“守る”ことだったのでしょうか。
「安全」を最優先するあまり、本人の自由と誇りを奪ってしまう。
その瞬間、介護は“守る”から“支配する”に変わってしまいます。
日本の介護が身体拘束ゼロへ踏み出した背景には、
この「安全」という言葉への深い問いかけがありました。
安全とは、動かないことではなく、
本人が自分の力で生きることを支えること。
「安全」という名の鎖をほどくこと——
それは、介護者が恐れを手放し、信頼に立ち返るということです。
尊厳を守る介護は、危険を排除することではなく、
共にその人の“生きる力”を信じることから始まります。
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