#ショートSTORY
#ビッチ
【ビッチ】
熱いシャワーを浴びながら
久しぶりに声に出した
「ビッチ」
カフェを営むその女性は
昔は女優だったのかな?と思わせる美貌の持ち主だった
だが それは昔と言う冠を外せない
今は目鼻立ちのはっきりしたおばあちゃんだ
彼女に出会ったのは20年前
それでも記憶を辿れば 当時も既に中年以上の雰囲気を醸し出していた…
カフェを営むその女性は
お客様と会話をするのが目的と言った感じだった そして自分を褒めてもらうのが大好きなんだろうと当時から私は思っていた
そのカフェに集う人達も何となく一癖ありそうな方が多い
人の悪口を言っては傷を舐め合っている感じだった その中でカフェオーナーは
マウントをとっていた
ビッチのやる事は毎回想定外だ
ある日 彼女の店に訪れた私に
「コーヒーでも飲んで行って」と言いながら
ひと時代前に流行ったコーヒーカップに
冷えたコーヒーを入れて来た
周りの人には分からない
私も 「これアイスなんですね」と
喉まで出かかった言葉を飲み込んで
何も問題が無いふりをして
その冷めたコーヒーをに口をつけた
周りの人は彼女を優しい人だと思うのだろう まさかホット用のコーヒーカップに
誰かに入れたコーヒーの残りを放置した挙句 あっためる事も無く
表情を一つも変えないで…
人に差し出しているなどとは
誰も想像出来ない
多分 この手の事を日常的にやっているのだろう 私に敵意を持っているのは分かる
それは彼女がやりたいと思っている事を私は軽やかにやってのけているのが
目障りなんだろう
ジェラシー それは人の心をざわつかせるのだ