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【夜更けの もこカフェ】6月の雨は空から届く思い出 #79

雨の日になると、 今でもあの頃を思い出す。 高校生だった私。好きだったのは、野球部の先輩。 放課後になると、 体育館の小さな窓からグラウンドを眺めていた。 晴れの日も。曇りの日も。そして、6月の雨の日も。 雨に濡れながらボールを追う姿。 泥だらけのユニフォーム。 仲間と笑う横顔。 その姿を見ているだけで、 胸が少しあたたかくなった。 先輩と言葉を交わすことはあっても、 特別な関係ではなかった。 それでも、すれ違うたびに嬉しくて。 少し話せただけで、 その日が特別な日になる。そんな存在だった。 ある6月の雨の日。先輩と約束をした。 放課後、グラウンドで会おうと。 たったそれだけの約束なのに、 朝から胸が落ち着かなかった。 空は重たい雲に覆われていて、 雨の匂いがしていた。 放課後。 約束の場所へ向かう。 ぽつり。雨が降り始める。それでも待った。 きっと来る。きっと来る。そう信じながら。 制服が濡れても。 髪が頬に張りついても。 雨はどんどん強くなる。 それでも、先輩は来なかった。 あとになって知った。 先輩はその日、 事故に遭っていたことを。 そして、 もう二度と会えない人になっていたことを。 あの日から、雨が嫌いになった。 雨の音を聞くたびに、 約束の場所で待ち続けた自分を思い出す。 来るはずだった先輩を思い出す。 胸の奥が、静かに痛んだ。 だけど――時は流れる。 不思議なことに、 雨の日に思い出すのは 悲しみだけじゃなくなった。 雨のグラウンド。 泥だらけのユニフォーム。 仲間と笑う先輩。 そして、 体育館の窓から見ていた景色。 あの日は、 雨が大嫌いになった日。 でも今は違う。 6月の雨が降るたびに、 大切な思い出が帰ってくる。 会えなくなった人との時間を、 そっと運んできてくれる。 だから今は、 雨も悪くないと思える。 6月の雨が降るたびに、 今でも先輩を思い出す。 雨のグラウンド。 泥だらけのユニフォーム。 あの優しい笑顔。 もう会うことはできない。 それでも、思い出は消えない。 【6月の雨は、空から届く思い出】     #スタエフ初心者 #スタエフはじめました #毎日配信 #音声配信 #ラジオ #朗読 #恋愛 #雨の日の思い出 #雨 #思い出 #スタエフもこもこ放送局 #夜更けのもこカフェ #声優
6月9日
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