新春の言祝(ことほ)ぎ。
弥栄(いやさか)の祈り。
新年はお目出度きもの。
日本人の感性に沁み入る新春の気分の清しさは、山紫水明、この風土の素晴らしさとつながることなしには味わえないと思う。
種を蒔き、苗を植え、実りを刈り取り、蓄える。
そんなサイクルを累々と重ねながら今尚、私たちは生かされ続けている。
自然とのつながりなくして我々は一瞬たりとてこの地上には存在し得ない。
なので、私はお百姓さんに憧れる。
そんな私が尊敬するお百姓さんが、若狭の杉田さんだ。
この方とはかつて3年ほど濃密にお付き合いさせてもらい、田んぼや梅林で農作業を教えていただいた。
中でも思い出に残っているのが、彼の田んぼで行った「杉田んぼライブ」だ。
このライブは、人に向けてのものではなく、杉田さんの田んぼに息づく、鳥や獣や昆虫や魚や微生物といった繋がり合う動植物の命を聴衆に、それらに感謝を届けるという趣旨で行ったライブであり、同時にその年の豊穣を祈願するものでもあった。
この曲は、そのライブのテーマ曲として作った、と言うよりも与えられた曲。
朝の起き抜けにこの曲の言葉とメロディの大半はすでに私の頭の中を巡っていた。
なのでこの曲はギフトと思っている。
杉田さんの思いの転写かもしれないと。
田の面の水鏡に自己を映しながら、「今、ここで、生かされている」ことへの感謝の念を忘れることのないよう、この曲は歌い続けたい。
♫005#マスター歌ってみた
「杉田んぼの歌」