『 暗黒 の高校生活 』
「 やまさーん、
何をやってるーー!?」
「 ハッ 」と僕は我に帰ります。
国語の担任 I 先生と、クラスメイトが、珍しそうに、教室の窓辺から僕を見上げています。クスクス笑っている人もいます。
僕はと言うと、お昼休みにクラスの向かい側にある、別館の校舎の屋上にいました。
塔屋( とうや )と呼ばれる、四角い小さな建物の上に、登りハシゴを使って、上がっていました。
雲一つないような、秋晴れの天気。
僕はその場に座り込み音楽を聴いていました。
Queen というバンドの『 Don't stop me now 』
でした。
映画『 ボヘミアン・ラプソディ 』が話題になった、イギリスの 4 人組 ロックバンド Queen の代表曲です。
当時は、ポータブル CDプレイヤーを持参し、イヤホンを付けて聴いていました。
目を閉じて『 Don't stop me now 』を繰り返し聴いていると、その世界に没頭していきました。
気づいたらお昼休みは終わり、3 時間目が始まっていました。
「 やまさーん、
何をやってるーー!?」
冒頭の呼び掛けの声に我に帰ると、向かいの校舎の I 先生と、クラスメイトが、僕を珍しそうに見ていました。
顔が赤くなって、今にも逃げだしたい気持ちになりました。
当時はなげやりのような気持ちがありました。自分の殻に閉じこもっていたんです。中 3 でのイジメ体験をきっかけに、自分を極度に守るようになっていました。
「 なめられちゃいけない 」
「 弱さを見せちゃいけない 」
そう思うと、虚勢を張ってしまい、気を常に張っていました。強い自分を演じていました。
「 自然体 」でいられないことは、僕にとってストレスでした。
なぜなら、強がっている自分と、自分の本心が、かけ離れていくのが分かるからです。
自分の感情を極度に抑制するため、エネルギーが内に内に向いて行きました。
音楽ハマることで、なんとかそのエネルギーを発散させて紛らわせていました。
聴いている時間は、ワクワク感や嬉しい気持ちなど、自分の正直な気持ちに素直になれました。
「 自然体の自分 」に戻りたかったんだと思います。
けど、またイジメられないために虚勢を張る。
疲れてしまう。
そのため、学校でも友達を作れず、孤立して行きました。
【 クラスでほぼ最下位 】
こんな感じだったので、高校生の時は、学校のテストも、ほぼ最下位でした。
学校での勉強に興味をなくしてしまい、成績は目に見えて落ちていきました。
小学 4 年生から学習塾に通っていたので、周りの環境に影響を受けて、勉強をしていたのだと思います。
高校生になり、塾という環境がなくなり、僕は学校の勉強に、興味が持てなくなってしまったんだろうと思います。
「 帰れコール 」がきっかけに、不登校気味になった、中学 3 年生の秋頃から、尾崎豊 さんを始め、音楽が僕の救いでした。
中学 3 年生の 1994 年、 6 月に Mr.Children の『 イノセントワールド 』がミリオンセラーになり、注目され始めた年でした。
藤井フミヤさんの『 TRUE LOVE 』、THE BOOM さんの『 島唄 』、THE 虎舞竜さんの『 ロード 』などもよく聴いていました。
高校 1 年生にハマったのは
ビートルズ
彼らのどこか反骨精神のある、音楽に合わせた過激な歌詞や楽曲にハマっていきました。
ビートルズが誕生した 1960 年代のイギリスは、
経済が停滞し、失業者が溢れ、貧しい人はさらに貧しくなっていく時代でした。
ロンドンの次に有名都市であったリヴァプールは廃れ、仕事のない若者で溢れていました。
バブル崩壊によって、就職氷河期と言われ閉塞感に溢れた日本。
そんな時代背景を生きた僕の学生時代と、同じような閉塞感に溢れた当時のイギリスに、親近感を持ったのだと思います。
閉塞感を打ち破って現れたビートルズのエネルギーに、わくわくした希望を感じていました。
次第に音楽に依存して行きました。
高校は、自宅から電車を使って約 1 時間掛けて通っていました。
私立の男子校でした。
そのため同じ中学の生徒はいませんでした。
髪を茶色に染めて、プライベートでは耳にピアスをしていました。
舐められないように、精一杯虚勢を張っていました。
けど、「 本当の自分 」を隠していたため、周囲とも馴染めず、孤独でした。
「 本当の自分 」「 自然体の自分 」を出せないまま過ごした高校生活でした。
元々 HSP の気質があったため、孤立していくことで、自律神経も弱っていき、僕にとって高校 3 年間は、「 暗黒の時代 」でした。
次回のページでは、そんな「 暗黒の時代 」を振り返り、当時の自分に声を掛けてみたいと思います。
# 2 原稿一部公開 『 マイルドセブンと尾崎 豊さん 』
https://stand.fm/episodes/654957cdd9e7b895ac818083
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