24日花組の回に伺いました。それから1週間が経ちましたが、まだ火男のことを考えています。組織のトップに信頼される仕事の能力がありながら、それが故に周囲に疎まれ、外見をあげつらわれ続け、自信を持てぬまま下手な立ち回りで悪い方へ悪い方へ流されていき、女も立場も命をも失ってしまう。何をどうすればよかったのか。運命を変える術は無かったのか。なんだか我が事のように悔しくて、歯痒くて、せめて息絶える際に傍らにいたまいまいの言葉が僅かにでも慰めになって逝ったのならいいな…そんなことをつらつらと考えさせ続ける力を持った舞台でした。皆様の芝居に本当に引き込まれました。
こんな救いがない話を書いた原田宗典氏ですが、私は氏のエッセイ本を高校時代にかなり読んでました。原田宗典のエッセイはあまりにもくだらなく、あまりにも面白く、私のクラスでは少年ジャンプよりも読まれていた印象があります。大学受験の息抜きに本当に楽しませてもらいました。
その後の氏は数々のスキャンダルで落ちるところまで落ち、小説家としても妹の原田マハほどの評価を得られず、なんとなく「終わった人」と認識して長年忘れてしまっていました。しかしこんなに凄い舞台の原作を書いた、やっぱり凄い作家だったんだと、再認識できたことが何よりも収穫でした。
”贔屓の役者“がいると人生が豊かになる。それを実感しています。