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翔べ!ほっとエイジ〜楊井 人文さんにファクトチェックについて聞く

今回のゲストは、ファクトチェックを自ら手掛けるとともに、ファクトチェックの普及・推進にも務めてきた楊井人文(やない・ひとふみ)さん。  楊井さんはファクトチェックの普及・推進活動を行う非営利団体であるファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)の発足から事務局長を務め、2023年6月に任期満了で退任。 「これからは、より自由な個人の立場でファクトチェックのあり方について考察や支援を行っていく」とのこと。  「ファクトチェックとは、ある情報が本当かどうかを一から調べ直すこと。一言でいえば『真偽検証』と楊井さん。 「世の中で広がっている言説、情報の内容が事実に基づいているかどうかを調査し、真偽を判断し、調査した結果を人々に順序立てて解説する活動」だ。  関心を持ったきっかけは、「2011年の東日本大震災と福島原発事故」。大きな不安の中、政府やメディアに対する不信が高まり、ネット上に様々な情報を飛び交った。「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)をめぐる誤報 もあり、 メディアの信頼低下を痛感した」という。  現在のファクトチェックは、ネットが誕生してまもない1994年ごろに生まれたSnopesという様々な噂を検証するサイトが先駆け。  2000年代に入り、大統領候補など、政治家の発言を検証するポリティカルファクトチェックが盛んになった。代表的なのがFactcheck.org、ポリティファクト。2010年代に入り、世界各国にネット言説を検証するファクトチェックが広がった。  ファクトチェックには3つのジャンルがあり、「公的言説」「社会的言説」「無名言説」に分けられる 現在「無名言説」のファクトチェックが主流になりつつあるが、個人的には「公的言説」「社会的言説」の方が重要ではないかと考えている。  楊井さんによると、「公的言説」「社会的言説」のチェックは相当難しいが、専門家の力を借りたり、インターネットで情報を集めることで、かつてよりファクトチェックはしやすくなっている。  ファクトチェックをするにあたっては、「IFCNファクトチェック倫理綱領」が5つの原則を定めている。 ① 非党派性・公正性 ② 情報源の基準と透明性 ③ 資金源・組織の透明性 ④ 方法論の基準と透明性 ⑤ オープンで誠実な訂正 の5つだ。  これらの原則は3つのエッセンスにまとめられる。 ①公正 Fairness ②透明 Transparency ③誠実 Integrity (Honestness) だ。  Fairnessは、基準を作ってファクトチェックするということ。いろんなファクトチェックをするにあたって、どの立場であっても、同じ基準で検証するということだ。どちらかに肩入れするとか、どちらかを厳しくしたり甘くしたりするといったことはしないでファクトチェックするというのがFairnessだ。  Transparencyとは、ファクトチェックをしている人間は、どういう身分で、どういう背景でファクトチェックをしてりる人たちなのかを、きちんとオープンにするということだ。   <プロフィール>楊井人文(やない・ひとふみ)慶應義塾大学総合政策学部卒業後、産経新聞記者を経て、2008年、弁護士登録。2012年より誤報検証サイトGoHooを運営(〜2019年)。2017年、ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)発起人、事務局長を6年近く務め、2023年退任。2018年、共著『ファクトチェックとは何か』を出版(尾崎行雄記念財団ブックオブイヤー受賞)。翌年から調査報道NPO・InFactのファクトチェック担当編集長を1年あまり務める。2023年、Yahoo!ニュース個人「10周年オーサースピリット賞」受賞。現在、ベリーベスト法律事務所弁護士、日本公共利益研究所主任研究員。
2023年12月20日
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