海水の運動には波、海流、深層循環、潮汐の4種類がある。
①波
普通の波→
海上の風が吹くことで起こる円運動
津波→
海底の地形が変動することで起こる波長の長い波※1
②海流(黒潮、親潮など)
通年絶えずほぼ同じ方向に吹く風(貿易風、偏西風など)により、海の表面に流れが生じたもの
③深層循環(熱塩循環)
グリーンランド沖、南極沖あたりで冷たい海水が深層まで沈み込むことで、1000年かけて海水が地球を循環する運動※2
④潮汐
太陽と月の合わさった引力により海の水が引っ張られ、潮が満ちたり引いたりする動き
月の引力の影響のほうが大きい
太陽と月が一直線に並ぶ→大潮(満月、新月)
太陽と月が直角に並ぶ→小潮(半月)
※1
津波は水深が深ければ深いほど速度の速い津波となる。津波が陸に近付き海底が浅くなると速度は遅くなるが、後から来る津波が追い付いてしまうため津波の高さは増す。
遅くなると言っても、水深10mでの津波は秒速10m、到達してから逃げきることはできない。
※2
グリーンランド・南極では、まず海水の真水部分から凍り出すと、冷たくて塩分濃度が高い海水ができ、それが重くなって沈んでいく。そして1000年かけてゆっくり元に戻ってくる。
地球温暖化になると冷たい海水を作れなくなり、熱塩循環を止めてしまうと言われている。するとどうなるか?
白亜紀の大量絶滅は、温暖化による海水の熱塩循環の停止が原因の1つと考えられている。酸素を含んだ新鮮な海水が海底まで届かなくなると、底に沈んだ生物の遺骸を分解するため酸素を全て使い果たしてしまう。その後は無酸素の腐った水が溜まり続け、海洋生物の壊滅的な絶滅を引き起こし、地球全体の大量絶滅につながったと考えられている。
その意味でも、地球温暖化は危険なのだ。