暗く冷たい洞窟に繋がる夜の森
旅人が迷っていると
どこかで見たような魔女があらわれ
おいで、おいで、と手招きする
旅人は疲れきっていたが
魔女についてゆくことにした
闇に木霊する梟の鳴き声
濡れた草の茂みから覗く夜行性の獣の目
息をつめた精霊の気配
雲の上ではじっとりと蝕が
月を食べようとしている
旅人があとを追ってゆくと
魔女は洞窟の中へ
そこは幾重にも道が分かれ
青く光っている
魔女が突如立ち止まり
眼くばせをするのであたりを見渡すと
ごつごつとした岩肌に
過去の幻影が浮かび上がった
異様なことに
旅人の大切にしている想い出ばかり
次々とあらわれる
しだいに旅人は怖くなり
逃げ出そうとしたその時に
ヒバリのさえずりが空に高く響いた
途端幻は消え、魔女もいなくなり
洞窟は沼に変わり果て
風もないのに静かに凪いでいた
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