グラナダ滞在中のワシントン・アービングの従者マテオが語るアルハンブラの伝説。
「首なし馬のオバケの伝承」はじめ、アルハンブラ一帯に流布するそれら断片的な話を拾い集め、苦労に苦労を重ねた末校合して
纏まりのある伝説に復元するー
それぞワシントン・アービングさんの仕事だ。
アービングさん曰く
これらが史実に基づく由緒ただしい学術的正当性を主張するための数々の考証はわたしの任ではない、とのこと。
だけどそれらの伝説に感じる
真実味や普遍性といったらないのだ。
今回の話には
ラバの背に氷を乗せてシィェラ・ネバダからグラナダの街に帰って来たはずが、居眠りから覚めると目の前の街はグラナダに非ず。
在るのはモーロの大モスクやその尖塔、円蓋の連なる都。
連れのラバとともにその光景に度肝を抜かれたおじさん。
そのモーロ人の騎士たちに囲まれてグラナダの大審問官(キリスト教の異端審問官)が居た!
というのだ。
シェラ・ネバダの山岳のどこか隠れたところにモーロ人の地獄の辺土があって、キリスト教神父の大審問官はそこに連れて行かれたのか⁈
従者のマテオは
そんなアービングさんの質問に
まともに応えるわけもない。
宗教や民族の共存から
追放へ。
そんなグラナダの歴史を背景にドキリとする
伝説が伝わってくる。
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