2021年1月。
箱根駅伝でASICSの着用率は──まさかの0.0%。
かつて「ランニング=ASICS」とまで言われたブランドが、箱根の舞台から完全に姿を消した瞬間でした。
これは単なる数字ではなく、「ランニング領域から存在を消された」ことを意味します。
その裏にあったのは、ナイキの厚底シューズ革命。
そしてASICS内部に巣食っていた「過去の成功体験」という落とし穴。
社長・廣田康人氏が語った「これはまずい。いや、かなりマズい」という本音。
世界トップランナーとの交渉で掴みかけた希望、そして「完全に負けた」悔しさ。
ここから生まれたのが、伝説のCプロジェクトでした。
「頂上から攻めろ」──創業者・鬼塚喜八郎の言葉を胸に、
ASICSはどのように再起を果たしたのか?
今回は、その修羅場と逆襲の始まりをお届けします。