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#3「教育の危機」を演出し、不安を煽る典型的な記事

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東洋経済「教員志望の知識不足」記事が抱える、4つの致命的な欠陥 公開された「教員志望の学生が知識不足」という記事は、教育制度や研究知見に照らすと、この記事の論理構成は極めて危うく、読者に誤った認識を植え付けるリスクがあります。その構造的欠陥を4つのポイントで整理しました。 1. 「n=1」の主観を社会全体の危機にすり替えている この記事の主張は、特定の非常勤講師一人の主観的な体験談(エピソード)のみに依存しています。統計的なデータや複数大学での調査結果は一切示されていません。一人の講師が感じた「驚き」や「衝撃」という感情的な反応を、さも「大学の教職課程全体の危機」であるかのように一般化して語るのは、論理的な飛躍であり、単なる印象論に過ぎません。 2. 日本の「開放制教員養成制度」という制度構造を無視している 日本の教員養成課程は、教員養成大学以外でも、課程認定を受ければ開講できる「開放制」を採用しています。そのため、大学によって学生の学力層も、教職に対する本気度も千差万別です。 記事には、この講師が教えている場所が偏差値を含めどの様な大学なのか、学生がどのような背景(資格取得のみが目的なのか等)を持っているのかという前提条件が完全に欠落しています。大学側の選抜や教育の質を問わず、一括りに「今の学生」とするのは、制度の理解を欠いた議論です。 3. 「探究重視=知識軽視」という根拠なき責任転嫁タイトル 「探究重視で知識を軽視」という図式も極めて強引です。記事内では「終戦時期を知らない」例が挙げられていますが、それがなぜ「探究学習」のせいなのかという具体的な裏付けや因果関係の証明はありません。この大学の入試選抜による実態と、入学後の学生の成長に寄与しなければいけない責任を、個人の姿勢やアクティブ・ラーニングでは知識は得られないというような根拠のない問題にすり替えて批判する姿勢は、本質的な課題から目を逸らさせるものです。 4. 研究が示す「教員の質は偏差値では測れない」という事実 その他に、重大な欠陥は、「知識量(学力)=教員の質」という短絡的な前提です。 日本の小学校を対象にした最新の「教員付加価値(教員が子どもの能力成長に与える影響)」研究によれば、教員の「出身大学の偏差値」や「年齢」「性別」といった履歴書的な特徴と、実際の教員としてのパフォーマンス(教員付加価値)の間には、統計的に有意な相関は見られないことが明らかになっています。 学力を伸ばすのが得意な教員と、非認知能力を伸ばすのが得意な教員は必ずしも同一ではなく、教員の能力は多次元的です。 この記事が助長する「知識がないから教員として不適格だ」と印象づけるのは、こうした科学的知見を無視した個人の意見でしかありません。 この記事は、曖昧な個別事例をベースに「教育の危機」を演出し、不安を煽る典型的な記事です。実態(データ)に基づかず、感情論で教員や教員志望者のモチベーションを削ぎ、現場への偏見を助長する言説には、慎重な批判的眼差しが必要です。 #教育 #学校 #大学 #記事 #教職
4月6日
コメント(5)
toshiko319yy
なるほど、科学的は反証性もありますが、再現性もあります。それは普通の科学的な使い方ではありませんので、逆に科学的を使ったミスリードになっていますので、定義して喋ると間違いなくなると思います。とても面白い議論ですが、その切り取り方はおかしいですし、主張は飛躍しています。 でもあなたの話はとても面白いのでまた聴きます。ありがとうございます。
2日前
toshiko319yy
私の説明足りませんでした。はい、その主張は飛躍しすぎると思います。教員の経験年数とか偏差値とかが子どもに与える影響の相関を否定した研究で、そのこと言えないと思います。そして、メタレビューとかと比べたらエビデンスレベル低いと思います。ここでの科学的とはどう言う意味ですか?データがあれば科学的ですか?東洋経済の批判は私も同意でしたが、途中から聴いてて明らかに飛躍している思います。でもその番組はとても面白いのでまた聴こうと思います。ありがとうございます。
2日前
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Teach For Japan
私がここで述べた「科学的」というのは、査読がなされており、研究論文として認められている内容の事を指しています。科学と非科学を分かつ境界基準は、ある仮説や理論が、実験や観察によって「間違いであることが証明される(反証される)可能性」を外部に対して開いているか、反証可能性があるかという点です。 そのため、ご指摘いただいたように、私が提示した研究に対して、反証した研究を提示していただければ、建設的に教員の質を様々な科学的観点から議論を深められます。 現時点で、日本国内において「教員付加価値(VTA)」のアプローチから教員の質を調査した研究は希少ですが、Chetty, Friedman & Rockoff (2014)、Chamberlain, (2013) Jackson, (2018)などを代表例に、米国では多く用いられており、その結果は今回私が示した日本国内の内容と同じ傾向をしましています。そのため、米国ではメタレビューレベルで研究も調べるとあるかもしれません。 以上の点から、私は記事にある様な反証可能性のない主張ではなく、反証可能性のある研究をもとに話し、それを科学的知見と表現しました。
2日前
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toshiko319yy
東洋経済の記事批判は私も同意ですが、教員の質と子どもの能力の相関のデータだけで科学的知見だと切り取るのもおかしくないですか?
2日前
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Teach For Japan
私が提示した一つの研究だけで、「教員の質を偏差値では測れない」と主張する事はできないというご意見ですか?
2日前
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