寝ても疲れが取れない。週末に休んだはずなのに、月曜の朝にはもう体が重い。激しく動いたわけでもないのに、夕方には頭がぼんやりして、目の奥が痛い。検査をしても異常は出ない。「年のせい」「ストレス」と言われて、それ以上の言葉が続かない──そういう疲れの正体について、僕は「脳疲労」という言葉で捉えています。 今回から3回に分けて、脳疲労とは何か、なぜ起きるのか、どう向き合うかについて、臨床と現代の神経科学の両方の側から話していきます。 前編(今回)でお話ししているのは、こんな内容です。 ・脳疲労と身体の固まりは「別々の現象」ではなく、同じ一つの現象の二つの顔である ・「身体合理性」という観点──体の不合理は脳の不合理に直結する ・トップアスリートの脳疲労──体を動かしているように見えて、相手の動きを読み、戦略を立て、瞬時に判断する脳活動が極限まで使われている。試合の後半・連戦で出せるパフォーマンスが落ちていくのは、筋肉や心肺だけでなく脳の側が疲労しているから ・Marcoraの実験(2009年):90分の認知タスクを課しただけで、その後の運動継続時間が15%短くなる。心肺機能も筋肉のエネルギー指標も変わっていないのに、身体は早く力尽きる ・これは僕たちのデスクワークの疲れと構造として地続き 中編・後編では、現代人の脳疲労が構造的に起きている理由(直立二足歩行、デスクワーク、幼稚園からの座位訓練、ペンフィールドのホムンクルスと動かしにくい体幹)と、対処としての「身体動態瞑想」の核心について話していきます。 身体に蓋をして頑張り続けてきた人にこそ、聴いてほしいシリーズです。 【参考文献】(前編で言及) ・Wiehler A, B
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大沼鍼灸 宛