1996年、カミオカンデは5万トンの水を湛えるスーパーカミオカンデへと生まれ変わる。10倍以上に巨大化した水槽が可能にしたのは、ニュートリノが飛んできた方向を精度よく解析することだった。研究チームは、大気圏ですぐ届く「真上」のニュートリノと、地球を貫通して届く「真下」のニュートリノの数を比較する。理論上は同じはずの数に、明らかな差があった。この現象が意味していたのは、ニュートリノが飛行中に別の種類へと姿を変える「ニュートリノ振動」であり、それが起こるためにはニュートリノに質量がなければならない。質量ゼロと信じられてきた常識が覆った瞬間だった。この発見を主導した戸塚洋二は、ノーベル賞を目前に2008年に世を去る。7年後、共同研究者の梶田隆章が受賞した年の受賞者はなぜか2名だった。
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