異端とは、
その時代において『正統』から外れた
思想や信仰、学説等の事を云う。
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思考を巡り時は流れて
回るは惑星(ほし)か、太陽か。
輪舞曲(ロンド)や
円舞曲(ワルツ)を踊るように、
人の歴史も、廻り巡る。
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柚坂明都さん作
『異端審問』をお届け致します。
【シナリオ元と作者について】
シナリオ台本↓
https://fineblogs213.com/inquisition/
※この台本は音声SNS"HEAR"にある
HEARシナリオ部からお借りして、
配信許可を得たものになります。
※シナリオ部の朗読をしたい場合、
所属作家個人に、許可を得る必要があります。
ご参考ください。
HEARシナリオ部公式ページ↓
https://hsc.fineblogs213.com
(作品数は100を超えてます)
P.N柚坂明都(ゆざかあきと)さん、
配信者名ふぁいんさんはHEAR公式シナリオに選出されている手練れの作家さんで、もうかれこれ2年弱のお付き合いがあります。
その作品の中で事実の歴史を題材にした台本があるのですが、これまで声真似オモシロ配信しかしなかった百舌鳥の転換点のひとつです。
ローマ帝国兵の悩み(HEAR)↓
https://hear.jp/sounds/BenHGA
ローマ帝国兵の嘆き(HEAR)↓
https://hear.jp/sounds/Dgosdw
『〜嘆き』から1年経ち、
再び、歴史を紡ぐ時が来ました。
このボイスドラマは、
SFやファンタジー色を極力抑えて、
ドキュメントにドラマ性を詰め込んだ作品です。
【作品に対する考察】
…本作は近代科学の父と言われるガリレオ・ガリレイが掛けられた裁判『異端審問』をベースとした創作シナリオで、人物や地名等、歴史が好きな人間から言えばニヤリとするような物語でした。
ベースであるガリレオの裁判は2回行われ、1回目は1616年。2回目は1633年と約15年経っていてほぼ合致しており、史実では1回目も有罪なのですが、その辺は歴史の裏側や、当時暴かれなかった真実を上手く紐解いて、この『異端審問』は書かれています。
1回目は55才、
2回目の時は70才でした。
【演出】
HEARシナリオ部は毎回お題となるテーマがあるのですが『回る』と云うのが当時のお題でした。
ストーリーは天体なので自転や公転のような周回の意味合いもあります。
しかし展開的にそれだけでは物足りないと感じた為、演出上でも『回す』必要を考えました。
最初と最後の音楽は同じです。
これにより流転的なイメージを持たせておりシナリオ自体にループ要素は無いですが、そう感じるよう設計してます。
音楽面に於いては史実ベースにしたかった為、過去の出来事についてはガリレオの生きたイタリアの雰囲気を出す為にアコーディオン等を用いた楽曲にし、曲調もワルツを採用しています。
曲を聴いてもし「ハウルの動く城の人生のメリーゴーランド」を思い出したら、この点も「merry-go-round」なので「回ってる」訳でワルツは円舞曲と書きます。
それとの差別化の為、裁判や教会にまつわるシーンは重厚で荘厳、そして少し張り詰めたような音使いにしています。
天上の創造主サイドなのに温かみを加えなかったのは、この中世と言う歴史に於ける普遍、正統、異端、狂信そして欲と権力を付与し、極端なコントラストにしたかったからです。
副題の
『Panta Rhei, 光暈 Cause Halation』は
万物は流転する、ハレーションを起こす(人)と云う意訳で、光暈(こううん)とは、強い光が当たって白くぼやける現象を表す写真用語です。
「ハレーションを起こす」と云う言葉は『言動などが周囲に悪影響を及ぼす』ビジネス用語で、そこに注目して使いました。
また本作は過去と現在を行き来する訳ですが、オルゴールで主に回想や追憶を表現する事で、独白のような印象を与えています。
【演技、効果音】
登場人物は3人ですが、主人公は現在と過去の2つがあります。
先に書いた通り、時間の開きは15年。
それも壮年(中年)→老人の15年。
僕は大人になって声が大きく変わる事は無いだろうと考え、もし変わるならばそれは声帯の衰えや喋り方だと思い、あの声にしました。
しゃがれさせ、噛み締めながら、です。
モチーフは今は亡き大塚周夫さんです。
現在と過去の差は効果音にも出しており
現代は杖をつき、歩く速度も遅い。
ガリレオは晩年に失明してしまうのですが、この杖がどちらかは聞き手の想像に委ねました。
対する壮年ガストーネは喋る速度を上げ、自信の表れと言える抑揚や曲者感を出しております。
歩き方や卓を叩く音も力強くしてます。
2人の枢機卿についても敬虔さは残して互いに真逆を行こうと考え、前半は真面目さ誠実さ、宗教らしい友愛の心を声に載せ、後半は同じ真面目でも狂信的で盲信的故の断罪と云う印象とクセを強く出しました。
以上です。
ちなみに「普遍、全般」を指すラテン語(?)をカソリクスと云います。カトリックの元です。
一方で「正統」はギリシャ語でオルソドクサ…、英語のオーソドックスの元となっています。
ギリシャ正教はオーソドックス・チャーチと云うので、カトリックは正統…と云う意味では実は無いのです。
しかし後年に、正統という意味を付与したのだと、どこかの本で読みました。
時代によって価値観は大きく移り変わり、時代の勝者の元で歴史は造られる。
歴史が真実とは限らない。
だから研究し追求するのです。
僕はこれからもホンモノが作れるように研究と挑戦を続けたいと思います。
・使用機材
安定の古いスマホのみ。
・BGMとSEは表示義務が無い為割愛致します。
(いつもと同じ所です)
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#朗読
#情熱の無駄遣い