東京・青梅の映画看板をフランス人写真家シャンタル・ストマンが切り取ったシネマティックなドキュメンタリー、Omecitta(オウメチッタ、映画の街青梅)。
青梅はカンヌ映画祭の華やかさやレッドカーペットからほど遠い場所。しかし、この街には、あちらこちらに映画がある。ショーウインドウやペディメント、ガレージの入り口、ビルの小脇、映画看板で溢れている。1950年代には、この東京郊外の小さな街は、アートシアターの中心地として栄え、遠方からも多くの人たちが映画を求めてやってきていた。当時の映画館の上に、地元の看板師・板観(ばんかん)の描いた公開中である映画のオリジナル看板がかかっていた。しかし、70年代になると、青梅の映画産業は徐々に衰退を始め、3館あった映画館は全て閉館してしまった。そして、90年代になり、街は再び板観氏の看板を待ちに飾り始めた。40年が経ち、シャンタル・ストマンはこの街を探し出し、そのストーリーに心を動かされ、ドキュメンタリーを画像と映像で撮影することにした。失われた時間の中を彷徨うように。
2024年3月20日(水)、青梅市の木造建築映画館シネマネコにて、映画上映とトークイベントが行われた。シネマネコ誕生の背景にはシネマネコ代表の菊池雅弘さんとシャンタル監督作品の出会い、さらに監督と多くの方達との奇跡の出会いがあったことなどが語られる。オウメチッタは3月28日までシネマネコで上映中。上映時間は、www.cinema-neko.comで確認のこと。