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「赤字」で会社は潰れない

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◆はじめに 会社を見るときに、最初に「赤字ですけど、つぶれないんですか、大丈夫なんですか?」と思う人が多いかもしれませんが、それだけではYESともNOとも言えないんですよね。赤字かどうか、よりも、重要な観点、見るべきポイントがあります。 ◆要約 会社の倒産リスクを正しく理解する 多くの人が「赤字だから会社が潰れる」と考えがちですが、実際はそう単純ではありません。会社の将来性こそが、倒産リスクを判断する上で最も重要な要素なのです。 倒産の本当の原因は現金不足 会社が倒産するのは、単に赤字だからではありません。倒産の真の原因は、支払うべきお金を払えなくなること、つまり現金不足なのです。例えば、給与の支払いや銀行からの借入金の返済、仕入先への代金支払いができなくなった時、会社は倒産に追い込まれます。 逆に言えば、どんなに赤字でも、支払いを続けられる限り会社は存続できるのです。ここが重要なポイントです。赤字だからといって、即座に会社の存続を危ぶむ必要はないのです。 将来性が会社の生命線 では、赤字企業がなぜ存続できるのでしょうか。それは「将来性」があるからです。将来的に売上が伸びる見込みがあったり、顧客を獲得できる可能性が高いと判断される会社には、投資家がお金を出してくれるのです。 例えば、AIのような革新的な技術を持つ会社を想像してみてください。製品化までは売上が立たず赤字かもしれません。しかし、将来的に大きな市場を獲得できる可能性があれば、投資家は喜んでお金を出すでしょう。このように、将来性があれば、現在の赤字を乗り越えられる資金を集めることができるのです。 フリー株式会社の事例から学ぶ 具体例として、私が利用している会計ソフトを提供するフリー株式会社の財務状況を見てみましょう。2023年6月期の決算では、売上高254億円に対し、営業利益はマイナス83億円でした。一見すると大きな赤字ですが、この会社は倒産の危機にあるのでしょうか? 実は、フリー社の現金預金残高は317億円もあります。負債を差し引いても、117億円の現金が残ります。つまり、現在のペースで赤字が続いたとしても、1年半以上は余裕があるのです。さらに、売上は前年比30%増と成長を続けており、将来性も十分にあると判断できます。 このように、赤字の額だけでなく、手元資金や成長率、そして何より将来性を総合的に判断することが、会社の存続可能性を見極める上で重要なのです。 新たな倒産リスク:人材不足 最後に、日本で新たに浮上している倒産リスクについてお話しします。それは「人材不足」です。特に労働集約型の産業、例えば飲食店や介護事業などで深刻化しています。 現金はあっても、働き手がいないためにサービスを提供できず、事業継続が困難になるケースが増えています。これは従来の倒産リスクとは異なる新しい課題です。 今後、経営者は資金調達だけでなく、いかに魅力的な職場環境を作り、人材を確保するかという点にも注力する必要があります。特に地方の企業では、この課題への危機感が薄い傾向にありますが、早急な対応が求められます。 以上、会社の倒産リスクについて、一般的な誤解を解き、正しい見方を提示しました。単純に赤字か黒字かだけでなく、将来性や人材確保の視点も含めて総合的に判断することが重要です。皆さんも、会社の状況を見る際には、これらの点を意識してみてはいかがでしょうか。
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