6月1日のライヴに向け
いま一番に
取り組んでいるのが
この詩
そしてこれを唄にしたもの。
ヒターノ(ジプシー)とは
どんな存在なのか。
なぜこんなにも魅力的なのか。
それを紐解いている気がします。
♪♪♪
「アントニオエルカンボーリオの捕縛」
フェデリコ・ガルシア・ロルカ
レイコ訳詩
アントニーオ・トーレス・エレディア
カンボリオ家の息子にして孫
柳の枝をたずさえて
セビージャへ闘牛見物へと向かう。
緑の月の浅黒い肌
ゆっくりと優雅に歩く
彼の青みがかった赤銅色の巻き毛が
両の目の間に光ってる。
道の途上で
まあるいレモンをいくつも切り取り
水に投げ込んでゆく
とうとう水はまるで金貨でいっぱいみたいに黄金に染まる。
そして道の途上で
楡の木の下で
治安警備隊員が
彼を後ろ手にしばりあげた。
昼はゆったりと過ぎゆく
肩にかかる午後が
海と小川たちに
闘牛士の長いジャケットを着せる。
オリーヴの実たちは
山羊座の夜を待ち
馬に乗った一瞬のそよ風が
鉛の山々を飛び越える。
アントニーオ・トーレス・エレディア
カンボリオ家の息子にして孫
柳の枝を失くし やってきた
5つの三角帽子に囲まれて。
アントニオ お前は誰だ
カンボリオ家の人間と名乗るなら
5つの流れる出口のある血の泉をつくったはずだ。
お前は誰の息子でもない
カンボリオの正式な血筋でもない
ひとりで山を取りに行くジプシーは
もはやいなくなった。
古いナイフたちが
埃の下で震えている
夜の9時
彼は牢屋に連れて行かれた。
空が小馬の尻のように輝く時間
夜の9時
牢屋は閉じられた。
♪♪♪♪♪
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