果たして世界的に有名な「ドン・キホーテ」は愉快な冒険譚なのか?
否。
読み進めた感想としてはそうでなかった。
これより少し前に書かれているやはり中世文学「ラ・セレスティーナ」のようにエグい話ではない(から世界的に受け入れられた)とどこかで聞いていたのだが、私の感想ではそうではなかった。
騎士道本を読んで妄想にかられて「遍歴の騎士となって世の不正を正す」と言った精神で旅に出たドン・キホーテが目にした下男を折檻する農夫や、ドン・キホーテ自身が受けた災難と表現されてる暴力こそがエグい表現で、読んでて愉快だなんてとても言えない。
それでも読み進めてみた。
ボロボロに打ちすえられたドン・キホーテが一旦家に帰り、従者となった近所の農夫サンチョ・パンサを従えて再び旅に出るまでを読んだ。
ドン・キホーテは郷士と呼ばれる身分の田畑や土地を持ち、下男や家政婦を抱える主人であり、その財産を売って騎士道本を手に入れ読み耽った結果、自分も騎士道本に出てくる騎士だ、との妄想に出る。そういった立場や経済力のある身分だからできた旅でもあるのだろう。
#ドンキホーテ #スペイン #中世文学