【尊厳Well-Kaigo】帰宅願望の謎
認知症のある高齢者に多く見られる「帰宅願望」。
施設や病院で「家に帰りたい」と繰り返す姿は、介護の現場ではよく耳にする代表的なBPSD(行動・心理症状)のひとつです。
なぜ帰宅願望が起きるのでしょうか。その背景には、中核症状である「見当識障害」があります。
自分がどこにいるのか分からなくなり、不安が募ることで「家に帰る」という表現につながります。
さらに、慣れない環境に移ることで心身にストレスがかかる「リロケーションダメージ」も大きな要因です。
住み慣れた家こそ安心の象徴であり、そこに戻りたいという欲求が自然に湧き上がるのです。
対応のポイントは「否定しない」こと。強く現実を突きつけると不安が増し、混乱が深まります。
大切なのは、気持ちを受け止め「そうですね、家が心配ですよね」と共感すること。
そして、写真や思い出の品で安心感を与えたり、散歩やお茶に誘って気持ちを切り替える工夫が効果的です。
帰宅願望は“困った行動”ではなく、心の叫びです。その声に寄り添う姿勢こそ、尊厳を守るWell-Kaigoの実践なのです。
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