1.客観的な評価に基づいて合理的に問題を解決する方向性
人間は客観的な世界の中で,それを表象し計算する情報処理システムとして存在しており,その処理過程の故障により不適応が起こる、とする認知主義であり科学的にストイックな立場をとる
【MCT】
・MBCTのマインドフルネスが他の領域にも適用されているような形で,デタッチトマインドフルネスの概念が適用されているような展開はみていない。その背景に,情報処理理論に基づいた厳密な理論を構築しているため,社会的文脈との接点を共有しづらいことが考えられる(今井)
2.問題の解決を超えより豊かな人生を目指す方向性
行動分析学では,社会的強化の成り立ちを考察することで,「向社会的行動を増やし所属集団から正当に評価されることが,人間の幸せである」という価値観を持つ
【ACT】
・ACTの治療目標とは,症状の軽減ではなく,価値に基づくコミットされた行為が維持されること。
・ACTにおいてマインドフルネス・スキルが指導される際は,あくまで価値づけられた行動の促進が目標とされる(酒井)
【弁証法的認知行動療法DBT】
第3段階では,自尊心を高め, 個人的な目標を達成するといった,患者の人生をより良い方向に促進するような治療目標が設定されている(川合)
3.世界をとらえなす認知科学の挑戦「エナクティブ・アプローチ」
・認知科学の中からも,変わらない客観的世界や自己-自我というものがあるのではなく,一人ひとりが宇宙内存在としての行為を重ねることを通して,世界も自己-自我もその都度形成されていくといった前提から,全てを捉えなおそうとする(バレラ・トンプソン・ロッシュ, 2001)。
・マインドフルネスのルーツである仏教のアビダンマや中観派の観点を大きく取り入 れている
・いずれ認知科学でも根本的な自己観、世界観などが変化し、マインドフルネスと原理的に重なってくる可能性を持つ。
・MCTの基礎になっている S-REF(自己調節実行機能) モデルで,中間階層がオンライン処理を続けることによって,下位レベルやメタ・システムの構築が進むと考えると,エナクティブ・アプローチと矛盾のないモデルが呈示できることを考えると,さらにMCTと接近する印象が強まる。
・認知行動療法がこのアプローチを取り込むには,さらに数十年が必要になるかもしれないが,認知科学の観点からも豊かな人生を目指す方向性が定式化されていく可能性も。
【参考】
熊野(2021)第3世代の認知行動療法の治療原理とマインドフルネス,心理学評論 Vol. 64, No. 4
【ベストコメント】
「配信行動…ウケますね。たしかにイラっとくるかもw」
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