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中原中也「蜻蛉に寄す」/第126夜

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詩と言葉の美しさをお伝えする「詩と朗読 poetry night」第126夜は中原中也「蜻蛉に寄す」。スキマ時間に聴いていただければ幸いです。 ***** 「蜻蛉に寄す」 中原中也 あんまり晴れてる 秋の空 赤い蜻蛉が 飛んでゐる 淡い夕陽を 浴びながら 僕は野原に 立つてゐる 遠くに工場の 煙突が 夕陽にかすんで みえてゐる 大きな溜息 一つついて 僕は蹲んで 石を拾ふ その石くれの 冷たさが 漸く手中で ぬくもると 僕は放して 今度は草を 夕陽を浴びてる 草を抜く 抜かれた草は 土の上で ほのかほのかに 萎えてゆく 遠くに工場の 煙突は  夕陽に霞んで みえてゐる (詩集『在りし日の歌』より) ※読み仮名 蹲んで…しゃがんで 漸く…ようやく 放して…ほかして ※参考文献 『汚れつちまった悲しみに……』(中原中也詩集/集英社文庫)収録  「解説―伝説の衣裳を脱いだ中也(新保祐司) #中原中也 #蜻蛉に寄す #在りし日の歌 #詩と朗読 #詩の朗読 #詩 #現代詩 #音声配信 #ラジオ放送 #standfm #poetrynight #poetryreading #朗読 #スタエフ朗読部 BGMは #甘茶の音楽工房
11月11日
コメント(22)
さぼてん
読み解きすごい✨ 最初は、分かんないな…と思ったんですけど、 読み解き聴いたら、すごく納得しました。 へ〜✨石がぬくもるまで、冷たさを感じるとか…そういう感覚すごいと思いました。 最初は目線が上で、下へ移っていくっていうのも確かにそうですね😳 とても面白かったです!
11月17日
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郎女(いらつめ+)/詩人・朗読者
さぼてんさん 短くて地味な詩なので、うっかりパパパッと読んでしまうと感想らしい感想も出なかったりしますよね。でも読み解いてみると、中也の目を通した風景が見えてきまて、蜻蛉や石くれや草が萎えるだけで詩になるんだなあ、面白いなあ、って思えてくるんです。
11月17日
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うしがら
視点と時間の経過、とても勉強になりました📖✨そういうところを自分の中に落とし込んでいくと、情景が立ちのぼってくる読みになるのですね。 お話ありがとうございました☺️
11月16日
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郎女(いらつめ+)/詩人・朗読者
うしがらさん そう言っていただければ、お話した甲斐がありました。お聴きくださりありがとうございました😊
11月16日
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Hearty🌏
詩が、どちらかといえば平易な言葉で綴られているとき、読み手にふわりと委ねてもらっているように思えます。 だからこそ、余計に深く、広く、夕陽の空が見えて来るし、石の冷たさやぬくもりが自分の手の中に感じられる。 郎女さんのおっしゃる「見えて来る現象」✨ですね。 一連の「あ」で揃っているところや、二蓮までのリズムの統一感も、好きです。 「在りし日の歌」は、我が子の「在りし日の歌」でありながら、編集後間もなく、はからずも中也自身の「在りし日の歌」となってしまったというのが、何ともいえないんですよね。 なんとも。。。 郎女さんの解説を頷きながら詩に浸るよい時間を過ごせました。 ありがとうございました🙇‍♀️
11月15日
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郎女(いらつめ+)/詩人・朗読者
Heartyさん 読み手である私たちは、自我をするりと脱ぎ捨て、中也の中に入りこみ、中也の目を通して風景を眺め、感じることができます。 中也の在りし日…たった30年の間に作られた詩が、後世の私たちにこんな不思議な感覚をもたらしてくれるとは。感慨深いですね。まさに、なんとも…なんとも…
11月15日
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もなみ
秋の風景が「あ」の音に広がっていきますね🍂 美しい風景と秋の心情、丁寧に描かれているためか、読んでいると直接自分の物のように感じます。でも、中原中也はよく「僕」を使うので、その部分になると急に間接的というか、作者を意識した感覚になるというか、何というか…。何で作者はこんなに僕、僕、言うんでしょうね🤔 完全に読者の事にしきらないことで、例えばこの詩なら、読者の感覚と作者の感覚を読者に行き来させるような…不思議な感覚✨
11月14日
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郎女(いらつめ+)/詩人・朗読者
中也と自分を行き来して読む、って、なかなかできることではないのでは。さすが、もなみさん。 中也が「僕」を使う意図は私にもわかりませんが…一つの連に一つ「僕」があることで、リズム的にまとまりがあるように私は感じます。例えばこれが「私」だったら、または「僕」という主語が無かったら。綺麗だけど少し物足りない気がするかも。 また、私はこの「僕」にはあまり彼の自我を感じないんです。もっと透明な存在のような。私は私のことというより、彼の中に入りこみ、中也の目を通して風景を見ているような気がしています。そう、不思議な感覚になりますね😊
11月14日
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もなみ
中也の目を通して…!そんな感じです✨ 自分の主観と思っていたのに、さらっと作者という入れ物に入っているような…? そして、僕の透明感も同感です。不思議ですよね。私、音楽の歌詞でも一人称が入っている歌は何となく好まないのですが、中原中也の詩は「僕」がうるさく感じないんです。あんなに僕、僕、言ってるのに。ミステリー✨
11月14日
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須藤三智穂
郎女さんの、視点が変わっていくことーがとても面白かったです。 確かに確かにと思いながらお聞きしました。 この詩は、長い時間が経っていて、その中に中也がずっといるのだなと感じました。 寂しいような、やるせないような…。 郎女さんの解説をお聞きしてからもう一度読んでくださると、詩と自分の距離がグッと近づいて、その中にいるような気がしてきました。 そして郎女さんの詩も、風景がたくさん出てくるなぁと思いを馳せていました。 こうやってここにいながら、中也の詩を深く味わうことができるなんて、幸せだと思いました😊
11月13日
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郎女(いらつめ+)/詩人・朗読者
三智穂さん そうなんですよね、寂しいようなやるせないような。読む人もまた、沈む夕陽を見ながら胸の奥がキュッとなる経験をしているからかもしれませんね。  もし気持ちを表す言葉がこの詩に入っていたら…例えば「遠くの夕陽がやるせない」とか。そうしたらこんなに感慨深くならないと思うんです。そこが中也のさすがなところですよね。
11月13日
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須藤三智穂
なるほど!言葉にしないから、余計に感じられる。 私たちが入る隙間をたくさん作ってくれている詩なんですね!
11月13日
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kocchi-(コッチー)
郎女さん、私、こんなに中也の詩の風景を味わったのは初めてです✨ 中也の視点の移り変わりを丁寧に解説してくださってありがとうございます。 音との繋がりもまみさんの五十音を彷彿させて納得でした。 詩は、物語より言葉遊びやリズムが豊富ですね。 そして、ただただ風景の描写が書かれているだけなのに、どうしてこんなにしみじみした気持ちになるのでしょうか。 心模様は一切書かれていないのに不思議です。 コレが詩人の持つ言葉や観察眼、表現のチカラなのでしょうね。 郎女さんの解説後に聴いた詩は、同じ詩であって同じものではない。 ありがとうございました! またぜひこの様な配信お聴きしたいです✨
11月12日
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郎女(いらつめ+)/詩人・朗読者
kocchi-さん そう、そうなんです。 短くて地味な詩なので、うっかりパパパッと読んでしまうと感想らしい感想も出なかったりするのですが。 丁寧に言葉と向き合って中也の視点になってみると…嬉しいとか悲しいとか一言も書いてないのに、蜻蛉や石くれや草や遠くの煙突や霞む夕陽に心を打たれてしまうのはなぜ? そうやって視えた風景を、聴き手に手渡すような気持ちでいつも朗読しています。 こんな感じの解説でよろしければ、またやりますね〜🤗
11月12日
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相良ユウ 【七色ボイスを目指す男子】
郎女さん、こんにちは🙌‼️‼️✨ 諸事情により長らくスタエフをお休みしておりましたが、昨日より復帰致しました😊✨✨ また宜しくお願い致します🙇🙇🙇✨✨ 秋らしいステキな詩の朗読を有り難うございます🍁🍁 視点が上から下へ変わり、また上へ戻るという主人公の目線の動きがリアルに描かれているのが面白いですね🤗 読み手が主人公と同じ感覚に浸れる魅力がありますね😊✨✨
11月12日
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郎女(いらつめ+)/詩人・朗読者
ユウさん 私も調子を悪くしてしばらく休んでおり、スタエフ復帰したばかりです。またよろしくお願いしますね。 中也の風景詩は、自分という枠がないので、読み手も自然とそこに入りこんでしまう感じがします。目立たなくて地味な詩ですが、私は好きなんですよ😊
11月12日
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ゴールディー
風景をただありのまま詩にすることは、難しいことなんですね。そうかそうか。 何を読もうかな~とワクワクしていた郎女さんが選んでくれた詩、味わえました~😋 寒くなって、山は一気に紅葉しました。そうだ、まだ、紅葉してなかったんだった、なんて思っちゃいました。
11月12日
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郎女(いらつめ+)/詩人・朗読者
ゴールディーさん ありのままを買いた風景詩って、平凡になりがちと思うんです。でも中也の詩って、いつの間にか詩の中へ連れて行ってくれる。 久しぶりの収録、味わってもらえて良かったです😊
11月12日
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まやま まみ
なるほど、みたものをそのままに、だから詩らしいといいますか、そうなるのですね。わたしは、はじめ聞いた時、しゃがんで拾った石を握って、草を抜いて長いことそこにしゃがんで、しゃがんだまままた顔を上げたら、遠くの工場が霞んでた=少し泣いてたのかなとか思って😅もう主観と感情で聞いちゃってました。妄想よりも、郎女さんが、話してくれたみたいに、この言葉のままを追う方が美しいと思いまして、この感じが詩なのかなと学んだ気持ちです🙏いつもと違うこの形、楽しかったのでまたぜひ聞かせてください。
11月11日
郎女(いらつめ+)/詩人・朗読者
まみさんの読み方もなるほどアリだなぁ、と思いました。詩をどう読むかは読み手の自由なので。また読み手のそのときの気持ちによって、読むたびに受ける印象も変わってきますし、それも面白いかと。妄想もぜんぜんOKと思います😊
11月11日
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ユアン
景色の視点を想う 夕陽にかすむ……で同時に 軽いため息がでました🤭 生きていく…自然なことにいる幸せを感じましたʚïɞ.🎶
11月11日
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郎女(いらつめ+)/詩人・朗読者
ユアンさんも、この詩の中に入っちゃって、美しい風景の中で一緒にたたずんでいますね🤗 霞む夕陽に私もため息ついちゃいました。
11月11日
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