「Steel Titan(だいだらぼっち)」
おまえの声を
いつも聞いているぞ
田んぼのなかの一本径
雑草や石ころを踏みわけ
ひとりゆく私を
空の頂から 遥かな大男が
見下ろしている
夕陽を受けて輝く鋼鉄の髪
トラスの入れ墨の身体
大地に足を踏ん張り
田を渡り山を越え
そのまなざしは
地平線の向こうへとのびていた
良い声だ
そのまま進め
しかし心して
己のために使うな
己を空にして発せよ
そう言うと
3本の腕金(アーム)をきらめかせ
日の落ちる方へと身を返した
高圧線を肩にかつぎ
雷撃をものともしない送電鉄塔
憧れの だいだらぼっちは
Steel Titan
仰ぎ見れば 胸が震える
ことのは語りの径は
あなたへと続く
薄明の空にとけていく
だいだらぼっちの
巨きな背を
私は夢中で追いかけた
【参考】
・架空地線(←かくうちせんの漢字)
・アジール…聖域、避難所、無縁所
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