【本日のご質問】
いつもありがとうございます。
みんなの心療内科読ませていただきました。
ミラクル・クエスチョンとスケーリング・クエスチョン、興味シンシンです☝️みなさんにも知っていただきたい内容です。ぜひこちらで解説をお願いします。日常生活で子どもとの対話でも使用したい技法です☝️
この放送では皆さまからのご質問・リクエストを大募集しています!こちらのフォームから是非!
(匿名でも可能です)
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■AI要約(誤字はご勘弁ください)
武雄内科クリニックの院長、内科医たけおがお送りする「心身健康ラジオ」。今回は、リスナーの方から寄せられた「ミラクル・クエスチョン」と「スケーリング・クエスチョン」についての質問にお答えしました。
これらは**「解決志向アプローチ(Solution Focused Approach:SFA)」**と呼ばれる心理療法の代表的な技法です。一般的な医療では「原因」を追究して治療を行いますが、世の中には原因がわかっても解決できないことや、原因への対処が難しいケースも多々あります。そこで、原因(過去)にとらわれず、「どうなれば良いか」という未来の解決像に焦点を当てて現状を打開しようとするのがSFAの考え方です。
SFAには、以下の非常にシンプルな3つの中心哲学があります。
1. **うまくいっているなら、変えようとするな。**
2. **一度やってうまくいったのなら、またそれをせよ。**
3. **うまくいっていないのであれば、違うことをせよ。**
当たり前のことのようですが、うまくいっていない方法に固執してしまうことは日常よくあるため、この原則に立ち返ることが重要です。
この哲学を実践するための具体的な技法が、ご質問の2つのクエスチョンです。
**【1. ミラクル・クエスチョン】**
「夜寝て、朝起きたら奇跡が起きて問題が解決していました。その時、世界はどう変わっていますか?」と問いかける技法です。
たとえ現実には病気や制限があったとしても、「もし制限がなかったらどんな状態が理想か」という未来像を具体的に思い描いてもらいます。理想と現実のギャップを把握し、現実に少しでもその理想に近づけるための行動プランを考えるきっかけを作ります。ただし、唐突な質問に聞こえるため、相手との信頼関係(ラポール)が築けていることが前提となります。
**【2. スケーリング・クエスチョン】**
現状を0点から10点(あるいは100点)で数値化してもらう、より現実的な技法です。
例えば患者さんが現状を「30点」と答えた場合、「あと70点足りない」と見るのではなく、**「なぜ0点ではなく30点も取れているのか?」**という視点で問いかけます。これにより、その人が既に持っているリソース(強みやできていること)を引き出し、肯定的な側面を強化します。
さらに、一気に満点を目指すのではなく、**「30点を31点にするには、明日どんな小さなことができればいいか」**を一緒に考えます。ほんの少し良くするための具体的な行動(スモールステップ)を模索することが、事態を好転させる鍵となります。
原因追求だけでは行き詰まる場面でも、未来志向で「ほんの少し良くする方法」を考えるこのアプローチは、医療現場だけでなく、子育てや職場での対話にも非常に有効です。ぜひ日常に取り入れてみてください。