0LifeStyleラジオは、0LifeStyleメディアのコラム
「景観は資源でできている──鉄平石から読む諏訪地方の町並み」 を解説します。
元記事:
景観は資源でできている──鉄平石から読む諏訪地方の町並み
https://media.0life.style/manabu/suwa-teppeiseki-keikan/
諏訪地方の町を歩いていると、
同じような灰色が、
何度も目に入ってきます。
門柱の表面。
家の足元の敷石。
石垣の面。
古い建物の腰壁。
ときには屋根の一部にまで。
目立つわけではない。
むしろ町並みに溶け込みすぎていて、
最初は気づかない。
けれど歩いているうちに、
だんだん逃せなくなってくる。
なぜ、この地方では、
同じような色と質感が、
こんなにも繰り返されているのか。
その問いの先にあるのが、
鉄平石です。
鉄平石は、
霧ヶ峰火山由来の安山岩。
板状節理が発達し、
面を保ったまま薄く割れていく。
その割れ方が、
屋根になり、
外壁になり、
石垣になり、
門柱になり、
飛石になっていった。
今回のラジオでは、
なぜ諏訪の町には「同じ灰色」が繰り返し現れるのか
鉄平石の割れ方が、どう暮らしの表面を決めたのか
山の石が、なぜ屋根や足元になれたのか
景観は自然ではなく、資源と労働の記憶だという視点
同じ火山が、黒曜石とは別の役割を地域に配ったということ
そんな問いを辿りながら、
鉄平石という素材から見えてくる
**「景観が資源から立ち上がる構造」**を読み解いていきます。
景観は、
あとからデザインされるものではないのかもしれません。
石があり、
切り出され、
運ばれ、
割られ、
積まれ、
敷かれる。
その繰り返しのなかで、
気づけば町並みが揃っていく。
しかも鉄平石は、
ただ便利な建材だったわけではありません。
重い瓦が負担になる気候の中で、
薄く軽く割れることが
実用的な意味を持っていた。
そして鉄平石の屋根は、
技術と財力の証でもあった。
山が屋根になる。
これは比喩ではない。
霧ヶ峰火山の時間が、
町の表面へ入り込んでいる。
私たちは家の表面を見ているつもりで、
その奥で火山の時間を見ているのかもしれません。
景観とは、
自然にそこにあるものではなく、
土地の素材と人の判断が、
長い時間をかけて表面化したもの。
諏訪地方の町並みは、
そのことを静かに教えてくれます。
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