0LifeStyleラジオは、0LifeStyleメディアのコラム
「桜──春は、一度にはひらかない」 を解説します。
元記事:
桜──春は、一度にはひらかない
https://media.0life.style/kanjiru/spring-does-not-open-all-at-once/
桜が咲くと、
同じ道でも、急に足が止まります。
まだ満開ではないのに、
気がつけば枝を見上げている。
散りはじめると、
それだけで、
何かが惜しくなる。
桜は、
春の始まりを告げる花ではないのかもしれません。
むしろ、
閉じていた季節が、
少しずつほどけはじめたことを知らせる花。
春は、
花から始まるのではありません。
地面の硬さが、わずかにゆるむ。
水の音が、少し変わる。
朝の空気の冷たさが、
冬のそれと少し違ってくる。
そうした小さな変化の積み重ねの末に、
ようやく桜は姿を見せます。
今回のラジオでは、
なぜ桜は、咲いた瞬間から散ることを意識させるのか
春は、なぜ花からではなく土地から始まるのか
諏訪の春が、一度にはひらかない理由
待つ時間と、咲いている時間と、散る時間の関係
私たちは、桜ではなく何を見上げているのか
そんな問いを辿りながら、
桜という花が教えてくれる
**「ほどけていく時間」**を読み解いていきます。
諏訪の春は、
いきなり明るくなりません。
3月が終わっても、
朝は息が白い日がある。
4月に入っても、
風に冷たさが残る。
だから桜もまた、
春を宣言するというより、
冬と春の境界で、
静かに咲いているように見えます。
春は、一斉に来るのではありません。
場所を変え、
高さを変え、
風を受け、
光を受けながら、
少しずつずれてやって来る。
諏訪の桜は、
来年も同じ場所に咲くでしょう。
けれど、
同じ春は来ない。
私たちはきっと、
花そのものではなく、
この土地の時間を
見上げているのかもしれません。
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