これまで何度も動画で触れてきた「トヨタのマルチパスウェイ(全方位)戦略」。
どうしても拭えない、そして前回の動画で一番伝えたかった「強い危機感」の正体について、もう一度本音で原点からお話しさせてください。
問題は、トヨタの戦略そのものの是非ではなく、日本社会がその言葉をどう受け止めてしまったか、という「副作用」の重さにあります。
日本一の影響力を持つトップ企業が「マルチパスウェイ」と掲げた瞬間、それは日本中の「新しいことにチャレンジしたくない人たち」にとって、現状維持を正当化する最高の隠れみの(魔法の言葉)になってしまったのではないでしょうか。
新しいリスクを取ることは賢くない。
玉虫色のまま、手元の技術を温存するのが堅実経営だ。
EVや自動運転をやらない理由を完璧に並べ立てることこそがスマートだ。
気づけば僕たちの社会は、「マルチパスウェイ・ウェイ」と呪文を唱えながら、完璧になるまで1歩も動けない、腰の重い国になっていないか。かつて焼け野原に新幹線を引いたあのダイナミズムを失い、「NOと言うばかりで動かない日本人」を量産してしまっていないか――。