この番組は映画をこよなく愛する、田村淳の大人の小学校「シネマ語り部」部員が、他愛もない映画話を音楽的視点からゆる〜く語る番組です。
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🎬『シネマのおと』第38作目は――
ジョナサン・デミ監督の傑作サイコサスペンス
**『羊たちの沈黙』(1991年)**です。
監督はジョナサン・デミ。
出演はジョディ・フォスター、アンソニー・ホプキンス、スコット・グレンほか。原作は、トマス・ハリスによる同名小説です。
女性FBI訓練生クラリスと、彼女に助言を与える猟奇殺人犯にして元精神科医、ハンニバル・レクター博士。
鉄格子と防弾ガラスを隔てた二人の対話は、捜査のための心理分析であると同時に、互いの心の奥を探り合う危険な駆け引きでもあります。
第64回アカデミー賞では、作品賞・監督賞・主演男優賞・主演女優賞・脚色賞の主要5部門を受賞。映画史上、わずか3作品しか成し遂げていない快挙を達成しました。
【ストーリー】
若い女性を狙う連続殺人犯“バッファロー・ビル”を追うため、FBI訓練生クラリスは、収監中の天才精神科医であり、人食い殺人鬼でもあるレクター博士を訪ねます。
レクターは事件の手掛かりを与える代わりに、クラリス自身の過去を語るよう要求。
捜査が進むにつれ、クラリスは犯人の心理だけでなく、自らが長年抱えてきた記憶や恐怖とも向き合うことになります。
今回の配信では、レクター博士の圧倒的な存在感はもちろん、彼とクラリスの間に生まれる奇妙な信頼関係についてMCたちがじっくり語ります。
「レクター博士は、なぜこれほど恐ろしいのに目を離せないのか?」
「クラリスの強さは、勇敢であることなのか。それとも、恐怖を抱えながら前へ進むことなのか?」
そんな問いから、アンソニー・ホプキンスの静かな演技、ジョディ・フォスターが表現する緊張と孤独、真正面から人物を見つめる独特なカメラワークへとトークは広がっていきます。
大きな動きや派手な演出がなくても、視線や声、わずかな表情だけで空気を支配してしまうレクター博士。
MC陣も、初めて観たときの衝撃や、観直すことで気づいた人物の心理、そして「これは単なる猟奇殺人映画ではない」という本作の奥深さについて盛り上がりました。
さらに話題は、作品タイトルにもなっている“羊たちの沈黙”が意味するものへ。
クラリスの耳に残り続ける羊の悲鳴。
誰かを救うことで、その声を止めることはできるのか――。
事件を追うサスペンスの裏側に隠された、クラリス自身の救済の物語についても、それぞれの視点からひも解いていきます。
そして今回ご紹介する曲は、ハンニバル・レクター博士といえばこの曲、J.S.バッハの
**『ゴルトベルク変奏曲』**です。
作中で、レクターがなぜこの曲を好むのかは明確に説明されていません。
しかし、極めて緻密で数学的ともいえる構造を持ちながら、静けさと気品、そしてどこか底知れない深さを感じさせるこの曲は、レクター博士の知性と美意識を映し出しているようにも思えます。
残酷さと優雅さ。
狂気と理性。
相反するものが同居するレクター博士の人物像と、バッハの端正な旋律は、なぜこれほどまでに響き合うのでしょうか。
映画を観たことがある方も、まだ観たことがない方も。
MCたちの語りと音楽を通して、『羊たちの沈黙』が持つ静かな恐怖と、時代を超えて語り継がれる魅力に触れてみてください。
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