【このチャンネルについて】
電車のない田舎デザイナーの思考メモ。
鳥取でデザインの仕事をしているフリーランスが、日々の仕事や学び、暮らしの中で感じたことや考えたことを、気ままに話していく番組です。
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頼まれたものを作るだけではダメなのか?
「言われたものを作るだけでは、これからデザイナーとして厳しい」
Xなどを見ていると、こうした意見をよく見かけます。
特に最近はAIの進化によってデザイン制作のハードルが下がり、「デザイナーはもっと企画や戦略などの上流工程に関わるべきだ」という話もよく耳にします。
自分自身も、デザイン制作だけでなく、クライアントの事業を理解して必要なことを提案できる立場を目指しています。
ただ、一方で違和感もあります。
そもそも、言われたものを作ること自体は、そんなに悪いことなのでしょうか。
今回は、制作現場での経験を踏まえて、このことについて話してみました。
【AIの進化を発注者側から考えてみる】
AIによって、これまでデザイナーに依頼していた制作物を、自分で形にできる場面が増えています。
もちろん、AIで作ったものが適切なデザインなのか、実際に使える品質なのかは別問題です。
ただ、発注者から見れば、自分が欲しいと思ったものをすぐに形にできるのは非常に便利なことです。
・制作にかかる時間を短縮できる
・外注費用を抑えられる可能性がある
・小さな制作物も気軽に用意できる
つまり、デザイナーにとっては仕事が減る可能性のある変化でも、発注者にとっては歓迎すべき変化でもあります。
「作るだけではダメ」という議論は、どうしても受託側の生存戦略として語られがちですが、発注者からの視点も必要だと思っています。
【そもそも、提案が求められていない仕事もある】
自分自身は、今後もっとクライアントの事業に踏み込み、提案できるようになりたいと考えています。
事業の成果に貢献することにやりがいを感じますし、提供できる価値が広がれば、収入や新しい仕事にもつながる可能性があるからです。
ただ、実際の制作現場では、そもそも提案が求められていない案件もあります。
例えば、制作会社を経由する仕事。
事業会社と制作会社の間ですでに企画や構成が決まり、その後に外部のデザイナーへ制作が依頼されるケースです。
この段階で求められているのは、決まった内容を適切に形にすることだったりします。
そこで突然、制作物の目的やターゲットから見直す提案をしたらどうでしょうか。
すでに関係者間で承認されている内容であれば、プロジェクトの進行を妨げてしまうかもしれません。
実際に自分が関わった案件でも、広告代理店や複数の制作会社が間に入っているケースがありました。
事業会社 → 広告代理店 → 制作会社 → 別の制作会社 → 外部デザイナー
こうした構造では、関係者ごとに確認や承認のフローがあり、スケジュールも決まっています。
その状況を無視して提案しても、クライアントにとってはノイズになる可能性があります。
大切なのは、提案すること自体ではなく、今そのプロジェクトに何が必要なのかを考えることだと思っています。
【言われたものを作る仕事にも価値がある】
「言われたものを作るだけではダメ」という話を聞いていると、制作だけを担当する人の価値が低いような印象を受けることがあります。
でも、自分はそう思いません。
例えばスライド制作では、原稿や構成が決まっていても、
・文字の大きさや余白
・情報の優先順位
・視線の流れ
・図解の方法
などを考えながら、読み手に伝わる形にする必要があります。
さらに細かな指示がある仕事でも、ミスなく、安定した品質で、期日までに納品することが求められます。
これらも、プロジェクトを成立させるために必要な仕事です。
もちろん、AIによって制作の単価や働き方が変わっていく可能性はあります。
ただ、仕事としての価値と、その仕事でどれだけの収入を得られるかは別問題だと思っています。
自分自身は、これからもっと事業に踏み込んだ提案ができる立場を目指したい。
でも、だからといって制作に専念する働き方を否定するつもりはありません。
それぞれの仕事には、それぞれの役割があり、その役割をきちんと果たすことにも価値がある。
今はそんなふうに考えています。
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