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中原中也「ゆきてかへらぬ」詩と映画の話/第108夜

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「僕は此の世の果てにゐた。」 🌿詩と言葉の美しさをお届けする 「詩と朗読 poetry night」。 第108夜は中原中也の散文詩「ゆきてかへらぬ --京都--」です。スキマ時間に聴いていただければ幸いです。 **** 「ゆきてかへらぬ ――京都――」中原中也  僕は此の世の果てにゐた。陽は温暖に降り洒(そそ)ぎ、風は花々揺(ゆす)つてゐた。  木橋の、埃りは終日、沈黙し、ポストは終日|赫々(あかあか)と、風車を付けた乳母車、いつも街上に停(とま)つてゐた。  棲む人達は子供等は、街上に見えず、僕に一人の縁者(みより)なく、風信機(かざみ)の上の空の色、時々見るのが仕事であつた。  さりとて退屈してもゐず、空気の中には蜜があり、物体ではないその蜜は、常住食すに適してゐた。  煙草くらゐは喫つてもみたが、それとて匂ひを好んだばかり。おまけに僕としたことが、戸外でしか吹かさなかつた。  さてわが親しき所有品(もちもの)は、タオル一本。枕は持つてゐたとはいへ、布団ときたらば影だになく、歯刷子(はぶらし)くらゐは持つてもゐたが、たつた一冊ある本は、中に何も書いてはなく、時々手にとりその目方、たのしむだけのものだつた。  女たちは、げに慕はしいのではあつたが、一度とて、会ひに行かうと思はなかつた。夢みるだけで沢山だつた。  名状しがたい何物かゞ、たえず僕をば促進し、目的もない僕ながら、希望は胸に高鳴つてゐた。     *    *    *  林の中には、世にも不思議な公園があつて、不気味な程にもにこやかな、女や子供、男達散歩してゐて、僕に分らぬ言語を話し、僕に分らぬ感情を、表情してゐた。  さてその空には銀色に、蜘蛛の巣が光り輝いてゐた。 🌿配信の内容をテキストで読みたい方は↓ https://note.com/goegoe/n/nf9a19e617804 #中原中也 #ゆきてかへらぬ #在りし日の歌 #詩と朗読 #詩の朗読 #詩 #現代詩 #音声配信 #ラジオ放送 #standfm #poetrynight #poetryreading #朗読 #スタエフ朗読部 BGMは #甘茶の音楽工房
2025年3月15日
コメント(13)
さぼてん
郎女さん、ゆきてかへらぬ、先日観てきました☺️中原中也ってどんな人が全然知らないないけど、映画だったら観やすいかなーと思いまして😄 このタイトルの詩があるんですね😳 詩のことをひたすら考えている姿や、中原中也と小林秀雄が詩について語り合っているところが印象に残ってます☺️ 泰子さんもかっこよかったです。出ていくところとか。 また中原中也の詩、楽しみにしてます😊✨
2025年3月20日
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郎女(いらつめ+)/詩人・朗読者
さぼてんさん 映画、絵的にも綺麗でしたよね。泰子さんの衣装や化粧、カツカツと歩く音、踊ってる姿も美しかったなあ。 中也と秀雄が声を合わせてフランス語の詩を読んでるところも、楽しそうでした。 中也の詩、また聴いて下さいね😊
2025年3月20日
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ゴールディー
『ゆきてかへらぬ』、ああ、観たいなあ。『名もなき者』も観たいんです。でも、農繁期、始まりました😩 「空気の中には蜜」、「常住食すに適して」の表現は、賢治の「わたしたちは氷砂糖をほしいくらいもたないでも~桃色の朝の光を飲むことができます」に通ずるものがあるなあ、と思いました。 今後の郎女さんによる中也、楽しみにしています💓
2025年3月18日
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郎女(いらつめ+)/詩人・朗読者
ゴールディーさんも、緑なす森や街や風の中に、光や香りや美味しさを感じていらっしゃいますよね。それらを言葉にして顕す…作家や詩人はそれがお役目なんだろうなと思います。 「ゆきてかへらぬ」は絵的にも美しかったです。そのうちきっと地上波やアマプラで観れるのでは。「名もなき者」19才のボブ・ディランかあ。私は全然詳しくないけど観てみたいです。 あちこちの畑で冬の空気が一掃され、活気が出てきてますね。ヒバリも鳴き始めました。
2025年3月18日
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kocchi-(コッチー)
映画これから観る予定なのですが、郎女さんのお話聴きたく、ネタバレ覚悟で聴きました🤭 でも、逆に聴いてよかったです✨ 私、中原中也の事はほとんど何も知らなかったので、子どもをなくした過去がある事を知って驚いてしまいました。 何作か読んだ事はありますが、掴みどころのない様なあの雰囲気は、郎女さんが仰っていた中也自身の見たままのそれなのですね。 これも心象風景といえそうな。 詩をキャッチした!と思う瞬間があるなんて、なんて素敵だろう🎶と思ってききました。 私もこの春、ちょうちょならず詩をキャッチできたらなぁ、なんて妄想してます。(←両手でふわっとキャッチするイメージです)
2025年3月16日
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郎女(いらつめ+)/詩人・朗読者
kocchi-さん 聴いてくださりありがとうございました。そうそう、つかみどころがない感じですよね。私も中也の詩にどう向き合うか、わからないでいたのですが、映画で「あっっっ、そういうことか」と腑に落ちました。観客に示唆を与えるなんて、映画の製作者側〜監督や役者さんたち〜の解釈と演技が素晴らしいということですよね。また映像としても美しく、見ごたえがありました。 kocchi-さん、また詩を書かれるのですね。とても楽しみです✨️
2025年3月17日
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kocchi-(コッチー)
いや、あの…..言ってみただけです😂
2025年3月17日
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ツクシ🍀宇宙向上会
中原中也と小林と長谷川泰子の関係性、…昼ドラみたいですね🫢😳 郎女さんの素晴らしい朗読は、音だけではなくて、詩に深く向かいあって噛み砕いておられるからこそ、ですね✨✨
2025年3月16日
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郎女(いらつめ+)/詩人・朗読者
ツクシさん ホントに昼ドラのようですね。当時から現在に至るまで、彼らの三角関係は物議を醸しているようです。 朗読を褒めていただけて嬉しいです。詩人たちの気持ちに入りこめたかも、と思える瞬間がたまらないです。なんだかドキドキ✨️して、詩の言葉が生き始めるのです。
2025年3月17日
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須藤三智穂
中也の詩は、やはりいいですね! 郎女さんの朗読で再確認しました。それこそ、昔ミルテでしっかり教えてもらったのに、いつの間にか遠のいていました。 「此の世の果て」の世界を精一杯感じ、自分のスタイルは崩さず、心の中は希望に満ちて楽しんでいる、どんな風にそこに住もうかな…不思議な感覚。 「さりとて退屈してもゐず、空気の中に蜜があり、物体ではないその蜜は、常住食すに適してゐた」この表現が素晴らしいと感じます。 これからも中也の配信、楽しみにしています。 映画観ていないのですが、観たくなりましたし、中也の詩、読みたくなりました😊
2025年3月15日
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郎女(いらつめ+)/詩人・朗読者
三智穂さん 空気の中に蜜、とは!そんなふうに感じ、言葉にできるなんて。この蜜はどんな味なんでしょうね。感性がキレッキレな世界を見せてくれる中也。大いに刺激されました。 映画、機会があればぜひ!役者さんも素晴らしく、映像も美しいです。
2025年3月15日
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相良ユウ 【30日~4日までお休みします】
郎女さん、こんばんは🙌🌃‼️✨✨ 中原中也さんのこの作品は初めて知りました😊✨ その場の空気感や、タバコの匂い、 目に映る人々など、五感で味わうことの出来る詩ですね🤗✴️ 確かにメッセージ性やストーリーがある訳ではなく、ありのままを描いた雰囲気がありますよね💡それが魅力的でもあります(*^^*)✨✨ 郎女さん、とっても素敵な朗読とお話を有り難うございます😊✨✨✨
2025年3月15日
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郎女(いらつめ+)/詩人・朗読者
ユウさん こんな深夜に聴いてくださりありがとうございます🎑 そうですよね、頭の中をまっさらにして、五感で感じるのが良いかもしれません。 若い時代を振り返って、と言いましたが、中也は若くして亡くなっているんですもんね、30歳から16歳を振り返った詩…と思うと胸が「くぅぅ〜」となります(TдT)涙
2025年3月15日
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