飛行機の姿勢で走る子どもから絆創膏が剥がれた昨夜 71
陰影の額縁をふたりで運び遠泳のように両親になる 81
三日ほど留守にしてソーダ瓶を置く窓からみえる岬のしろさ 80
産んだから生まれただけの蝶番ほどよく錆びて寂しくなって 86
大皿に煮かぼちゃの山この話ぜんぶ知ってるけど夜の顔 91
手放して手は蝶々の柔らかさ海岸沿いを遥かまできて 92
連絡をしたいからするただ鈴を引くようにあなたを思い出す
流木の上に座ると月ひとりこどもが老いてゆくだけの昼 100
食器なら百年くらい生きられるティーカップ&ソーサーの夢 126
噴水の天使の像を見上げたらこちらに影を作ってくれる 130
微発泡 月の狩猟の思い出にプールサイドで銃を乾かす 131
夕涼み…ひとり(遣り水)ふたり(傘)さんにん(坂道)あいたらあそぶ
かき氷食べながらみるともだちの映らないただの海の映像 32
あくる朝十八になる玄関の金魚はふっと縦に立ちたり
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夕涼み…ひとり(遣り水)ふたり(傘)さんにん(坂道)あいたらあそぶ
/藤本玲未『テリーヌの夢』
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ひとりはしずかふたりはふるさとのにおいさんにんはさざんかのくらやみ
/正岡豊『白い箱』
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忘れて花 思い出すとき葉の緑 苦しいなにもかも鮮やかに
/瀬口真司『オーバード』
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短歌