詩と言葉の美しさをお伝えする「詩と朗読 poetry night 」。第135夜は、昨年末から今年への年越しで感じたことを綴った「つごもり珈琲」です。スキマ時間に聴いていただければ幸いです。
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「つごもり珈琲」
年末年始の喧騒が苦手
新聞もテレビもラジオもネットも
にぎやかすぎて落ち着かない
混み合うスーパーでは
平時の食材が買えず
隙間を縫いパンだけ買って
逃げるように店を出た
陰暦で月末をつごもりという
新月の前日で月が見えないので
月隠り(つきごもり)が変じて
つごもりになったとか
そして一年の最後の月末は
おおつごもりと呼ばれる
おおつごもりの夜
いつも通り
熱い珈琲が出てくる珈琲屋さんが
あるといいのに
にぎやかなのが苦手な店主が
にぎやかさから逃れてきたお客に
淹れてくれる
漆黒の静かな飲みものよ
変わらぬ味
変わらぬ日常を
ごまかしのにぎやかさで
見失わないよう
寄る辺なく隠り(こもり)
眠れない夜を過ごす
あなたのために
祈りながら
黙って年をまたぐ
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