詩と言葉の美しさをお伝えする「詩と朗読 poetry night 」。第136夜は三好達治の「大阿蘇」。私の自由な解釈で読み解きをしています。スキマ時間に聴いていただければ幸いです。
(※配信の中で、「は」「が」について、他の人がこう言っているのを読んだことがない、と申しましたが、配信後にYoutubeで解説動画を探したら、同じようなことを解説している方がいました。ので、郎女オリジナルの考え方ではありませんでした。念のため、書き添えておきます。)
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「大阿蘇」三好達治
雨の中に馬がたつてゐる
一頭二頭仔馬をまじへた馬の群れが 雨の中にたつてゐる
雨は蕭々と降つてゐる
馬は草をたべてゐる
尻尾も背中も鬣も ぐつしよりと濡れそぼつて
彼らは草をたべてゐる
草をたべてゐる
あるものはまた草もたべずに きよとんとし てうなじを垂れてたつてゐる
雨は降つてゐる 蕭々と降つてゐる
山は煙をあげてゐる
中嶽の頂きから うすら黄ろい 重つ苦しい噴煙が濛々とあがつてゐる
空いちめんの雨雲と
やがてそれはけぢめもなしにつづいてゐる
馬は草をたべてゐる
艸千里濱のとある丘の
雨に洗はれた青草を 彼らはいつしんにたべてゐる
たべてゐる
彼らはそこにみんな靜かにたつてゐる
ぐつしよりと雨に濡れて いつまでもひとつところに 彼らは靜かに集つてゐる
もしも百年が この一瞬の間にたつたとしても 何の不思議もないだらう
雨が降つてゐる 雨が降つてゐる
雨は蕭々と降つてゐる
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