インドの冷凍食品業界は、都市部のライフスタイル変化や中間層の拡大により過去10年で劇的な成長を遂げています。市場規模は2025年の約2,900億円から、2034年には約8,600億円へと約3倍に拡大する予測です。
成長の最大の要因は、共働き世帯の増加による「時短・簡便」ニーズの高まりと、QSR(外食チェーン)やクイックコマースの急拡大です。さらに、政府と民間による冷蔵・冷凍インフラ(コールドチェーン)の整備が進んだことで、地方都市への流通も可能になりました。製品別では冷凍野菜スナックが市場の過半数を占める一方、エビを中心とするシーフードは輸出の主力として外貨を獲得しています。
市場の急拡大を受け、業界では企業再編や巨額投資が活発化しています。大手コングロマリットのITCがPrasumaを買収して事業を強化しているほか、PEファンドのApax PartnersがID Fresh Foodsに約230億円を投じるなど、国内外の資金が集中しています。今後は、プラントベースなど健康志向商品への対応や、IoT・AIを活用したサプライチェーンの効率化が競争を勝ち抜く最大の鍵となります。