AGCは原薬製造に強みを持つ一方、ライフサイエンス事業の収益改善と最終製剤(川下)への展開が課題となっています。
そこで、無菌注射剤の最終工程(フィルフィニッシュ)に特化した米欧のCDMOであるSimtraを買収すれば、原薬から製剤まで一気通貫の提案が可能になります。結果として、ADCや高薬理活性薬の強化、日米欧での地域補完、案件収益の長期安定化といった大きなシナジーが期待できます。
想定買収額は50〜60億ドル規模で、Thermo Fisherなどの有力企業との競争も予想されます。AGCにとってSimtraは戦略上の「足りないピース」を埋める魅力的な存在ですが、適正価格での取得と的確な統合シナリオを描けるかが成功の鍵となります。