さて、今回のテーマは、主宰・二村が以前からことあるごとに唱えている「シミュレーション仮説」について。じつはぼくもこれには昔からうっすら賛成で、この世のすべては、何者かがプログラミングした箱庭なのではないかと、にらんでいます。
たとえば、世の中には宝くじが当たるような「運営(神)」からやたらと優遇されている主人公キャラが確実に存在します。イーロン・マスクやビル・ゲイツ、大谷翔平のような勇者たちがそれです。
彼らは、未来のぼくらの子孫が「おじいちゃんたちが別の選択をしていたらどうなるか?」を検証するために走らせている、壮大な祖先シミュレーションゲームの主要プレイヤーなのです。
では、ぼくらおじさん3名の役割は何なのか。当然、主人公ではなくモブ中のモブなのですが、二村曰く「インディーズ枠のバグ誘発種」なのだそう。
メインストリームだけでは世界が均質化してつまらなくなるため、あえて主流に反発するようなサブカル的、アート的なバグの種として、少数だけ配置された存在であると説きます。さらに面白いのが、この世界のシステム的な「仕様」です。
人間が景色や匂いに対して抱く「デジャヴ(既視感)」の正体は、過去の繰り返しではなく、単なるシステムの読み込みエラー、つまりは「グリッチ」とも考えられる。
デジタル画像を拡大するとピクセルが見えるように、この世界をどこまでも掘り下げていくと「プランク長」というこれ以上細かくできない解像度の限界にぶち当たるのも、じつにプログラミング的です。
量子力学の定番「シュレーディンガーの猫」の思考実験も、オープンワールドのゲームに例えれば、すんなり理解できるはずです。ぼくらが今こうして集まっている空間はリアルタイムで描画されていますが、一方で見ていない遠くの街の出来事は、マシンのサーバーがパンクしないように省略されている。人間が観測して初めてその物体がレンダリングされるという仕組みは、まさに最新のゲームエンジンそのものです。
この宇宙において、光速を超えるスピードで移動できないのも、アインシュタインの相対性理論云々というより、単に「運営側のサーバーの処理速度の上限が光速だから」と考えた方が辻褄が合います。ワープやUFO、実在しない国の通貨が見つかる怪事件などは、親会社の違う別のプラットフォームから、バグでアセットがポロりと紛れ込んでしまった結果なのかもしれません。
すべてが最初から決まっている自然のプログラム(決定論)なのか、それとも人工的な機械のプログラムなのか。鶏が先か卵が先かという議論の果てに、二村が「結局、みんなそれぞれが自分の物語の主人公なんだよ」と、気持ちの悪いスピリチュアルなまとめをして幕を閉じました。
せいぜい僕らインディーズキャラは、これからも運営のメモリを無駄に消費するようなくだらない雑談を撒き散らしながら、このバグだらけの日常をサバイブしていく他ないのかもしれません。
TEXT:ユスカル
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