【第315回】『外国人にとって働きやすい会社とは何が重要か?』
外国人社員にとって働きやすい会社は、日本人社員にとっても働きやすい会社です。
情報にアクセスできる環境、明確な評価制度とキャリアパス、会社全体のグローバル化等、外国人社員だけに合わせるのではなく、組織全体を変える視点が大切です。
日本では少子高齢化が進み、働く人の数が減少する中で、外国人社員に日本で働いてもらう必要性はますます高まっています。
特定技能や技能実習、今後の育成就労制度のように現場を支える方もいれば、技術・人文知識・国際業務のように専門性を活かして働く方もいます。
在留資格や業務内容は異なっても、外国人社員が「この会社は働きやすい」と感じるために大切なポイントは共通していると感じています。
1.疎外感を持たないように、情報にアクセスできる職場を作る
まず大切なのは、外国人社員が職場の中で疎外感を持たないようにすることです。
業務上の指示が伝わっていても、普段の雑談や社内文化、会議の背景情報が分からないままだと、「自分の知らないところで話が進んでいる」と感じやすくなります。
そのため、会議の録画、議事録の共有、多言語での社内ルール整備、口頭だけでなく文章や資料で情報を残す工夫が重要です。
すべてを手取り足取り説明するのではなく、本人が知りたい時に情報へたどり着ける状態を作ることが、安心して働ける職場づくりにつながります。
2.評価制度とキャリアパスを明確にする
次に重要なのは、評価制度とキャリアパスを明確にすることです。
外国人社員にとって分かりにくいのは、日本人社員の暗黙の慣習が評価に影響している場合です。
報告・連絡・相談や周囲への配慮は大切ですが、それを曖昧なまま評価してしまうと、何をすれば評価されるのかが分かりにくくなります。
だからこそ、どの行動が評価されるのか、どの成果が求められるのか、どのステップで成長できるのかを明確にする必要があります。
「日本人らしく振る舞えるか」ではなく、「努力や成果が正当に見られている」と感じられることが大切です。
3.日本人社員もグローバル化していく
外国人社員だけに変化を求めるのではなく、日本人社員側もグローバルな視点を持つことが重要です。
会社全体がドメスティックなまま、外国人社員だけを特別な存在として扱ってしまうと、本人は異分子のように感じやすくなります。
日本人社員も海外出張や海外顧客とのやり取りを経験し、外国人社員も日本で自然に働く。
そうした環境があることで、外国人社員だけが特別視されにくくなります。
外国人採用を単なる人手不足対策ではなく、会社全体をグローバル化するきっかけとして捉えることが大切です。
まとめ|外国人社員が働きやすい会社は、日本人にも働きやすい
外国人社員にとって働きやすい会社を作るためには、
・情報にアクセスしやすい環境を作ること
・評価制度とキャリアパスを明確にすること
・日本人社員も含めて会社全体がグローバル化すること
この3つが重要です。
外国人社員に働きやすい会社は、決して外国人社員だけに優しい会社ではありません。
情報共有が分かりやすく、評価基準が明確で、多様な価値観を前提にできる会社です。それは結果的に、日本人社員にとっても働きやすい会社になるはずです。
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パーソナリティー:田村陽太
社会保険労務士。株式会社サンキャリア代表。
東京外国語大学外国語学部卒業後、産業機械メーカーでの海外営業、社労士法人での勤務を経て独立。
国内企業向けの人事労務顧問をはじめ、海外駐在員・外国人社員・外資系企業の日本拠点など、グローバルな組織の人事労務支援を行っている。
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